でこぽん さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
優しさに包まれた4人の個性を感じる作品
この物語は、超能力のアクションバトルですが、見終わった後、優しい気持ちになれます。心が温かくなります。
物語は近未来。東京の半分の広さの学園都市で、学生たちの超能力開発が行われますが、そこで発生する事件に対して4人の少女たちが悩み、傷つきながらも困難を克服する様子を描いています。
その4人とは、電撃の特技を持った御坂美琴、テレポーテーションの能力を持った白井黒子、微弱な超能力を持った初春飾利、何の超能力も身につけていない佐天涙子です。
たまにはおバカなこともしますが、物語のいたるところに優しさを感じる箇所があります。思わず胸が熱くなるシーンもあります。
そこがこの作品の大きな魅力です。
そしてその中で、彼女らの個性が充分に表現されています。
御坂美琴の魅力は、圧倒的な力を持つにもかかわらず、それを誇ることなく、人に優しいところです。
また、すべての責任を自分一人で抱え込もうとする彼女の弱点が見えたとき、思わず彼女も普通の女の子なんだなと安心しました。
白井黒子は、日常における変態ぶりや間抜けぶりと随所で見られる正義感あふれる心とのギャップが魅力です。
変態ぶりや間抜けぶりは思わず笑ってしまいますし、彼女の正義感や相手を思いやる気持ちには感動します。
{netabare}
第8話でかき氷のイチゴを買った黒子が激しく後悔し、地面に額を何度もぶつけるシーンがありますが、そのシーンは何度見ても笑えます(^_^)。
また、
第23話で黒子が初春を立ち直らせるために頬をビンタするシーンがあります。
その後に黒子が初春に伝えた言葉は、凄く心に沁みました。
初春に立ち直ってほしい。自分は初春を信じている。その思いがにじみ出ていました。
それに、ビンタしたほうの手をもう片方の手で強く握りしめている動作にも
黒子の優しさが痛いほど感じられます。
{/netabare}
そして佐天涙子の自由奔放な性格には好感が持てます。
また、レベルゼロである彼女の持つ劣等感は、心に刺さります。
おそらく誰の心にも多かれ少なかれ劣等感はあるのではないでしょうか?
だからこそ彼女の悩みは共感を呼びます。
{netabare}
レベルアッパーを使用し、副作用で倒れてしまった彼女は、ズルは良くないと気づきます。
それからは懸命に努力することで、自分の限界を超えることができることを知ります。
そして第23話では、周りが見えなくなった御坂美琴の行く手を遮り、美琴の悪い点を指摘します。
{/netabare}
彼女は誰に対してでも物怖じしません。自分の信念を貫きます。
そこが彼女の最大の魅力です。
初春飾利は、体力もない弱い女の子ですが、彼女の情報解析技術のおかげで美琴や黒子が活躍できます。そして彼女は心が強いなぁと感心することがしばしばあります。
{netabare}
彼女が悩みを持った佐天涙子に対して電話で「大丈夫ですよ!」というシーンや、木山先生を熱心に説得するシーンは、彼女の意志の強さを感じさせられました。
{/netabare}
この物語は、”とある魔法の禁書目録”のスピンオフ作品ですが、間違いなく本家を凌いでいます。