yowano さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
非の打ち所のない作り込まれた作品
巨大な縦穴「アビス」の最深部を目指す冒険譚です。
アビス内は外見・生態ともに個性的な動植物に満たされていると同時に、
「遺物」と呼ばれる超常のアイテムが落ちているため、
冒険譚の中でもワクワクの尽きない物語になっています。
動植物は個性的だけでなく、ある程度の合理性を保った設定のものが多く、
特に弱肉強食や共生といった生態系の部分が意識されていて素敵です。
加えて、遺物やアビスの呪いを始めとした独特な世界設定が、
更に物語のファンタジー性を強めており、観ていて興味を惹かれます。
主人公らは年齢からして幼いため、その部分は好みが別れると思いますが、
年齢相応の脆弱さや純粋さがむしろ冒険をより魅力的に見せていると思います。
メインキャラは性格と得手不得手の両面でしっかり描き分けされているため、
一方的なお荷物がおらず、相互扶助が成立している点も好印象です。
サブキャラについても物語内における個々の役割がしっかり定められており、
言動にブレがないため、ちょい役でもきちんとキャラが立っています。
特にアビスの冒険家として最高峰に位置する「白笛」の面々は、
その人間離れした実力や強烈な人格から、視聴者の間でも人気があります。
また、作画は近年稀に見るクオリティの高さを誇っており、
特に背景は突出して美しい仕上がりになっています。
作品世界における美しさと残酷性を完璧に表現しきれていたと思います。
最初から最後まで1度も苦手に思ったり違和感をおぼえたりする部分がなく、
むしろ美麗な世界や容赦なく襲い来る試練の数々に毎週ワクワクしていました。
自分としては非常に好みで、非の打ち所のない良い作品でした。