「宝石の国(TVアニメ動画)」

総合得点
82.1
感想・評価
943
棚に入れた
3783
ランキング
373
★★★★☆ 3.9 (943)
物語
3.8
作画
4.1
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
3.9

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ボクは必要なのだろうか

「古代」といわれるほどの過去に「にんげん」が存在したと伝えられる遠い未来の世界。遠い昔に6度の流星飛来のために海中に没した地上の生物の中から、「微小生物」に食われて無機物となり、長い年月を経て、宝石の体を持つ人型の生物が生まれていた。28人の宝石たちは、自身を装飾品にしようと来襲する月人(つきじん)との戦いを繰り返しながら、長い時間を寄り添って暮らしていた。

宝石たちの中でも特に脆く戦闘に出られず、秀でた才のない最若のフォスフォフィライトは、「博物誌」の制作を仕事として与えられ、不本意ながらも活動を始める。(wikipediaより引用)

さて・・・
2017年秋期作品では1,2を争うほどに注目された作品です。

この作品はCG作品です。
宝石の国ラジオを聴けば、そのこだわりがわかりますが、
宝石たちをいかに表現するかへのこだわり、セルではなくCGにしか出来ない表現など、
映像の中にこだわりが多く入っているため、
事前情報を頭に入れて視聴するとより深みのある作品になると思います。

また、映像だけではなく、声優さんの演技についても、ラジオで熱く語っています。
宝石と人間の違い、宝石にとっての感情とは?人間と宝石とは肉体的形状は同じでも構成物質が異なり、同じ感情表現の言葉でもどう違うか?
そういったことを考えて声を当てている声優さんたちのラジオを一度聞いてみてはどうでしょうか。


何が受けたのか?という要素的な話では、
CGによるアクションがすごかったりとか、
CGのキャラデザが可愛かったりとか、
世界観が独特だったとか、作りこまれているとか
恐らく映像表現的に凄かった、という人が多いんじゃないかな?と思います。


内容について、メッセージ性とかを深く突っ込むべきか?
と考えましたが、尺の都合で結構中途半端な部分で終わってますし、
着地点を見つけることは容易ではないですね。
成長・友情・戦いの物語という3つの要素があるよと、公式のイントロダクションではいっていますし、そこを押さえつつ見ると面白いかもしれません。

{netabare}

公式がイントロダクションで説明した3つの要素について考えてみると

成長という面について、フォスは
・硬度の高い脚を手に入れた
・無謀から冷静になった
・流体のような金を扱えるようになった
という感じですね。成長というよりは強化みたいな事が多いですが・・・

むしろ、この上記の結果になる前に色々なことを経験しています。
・シンシャに助けられる。
・カタツムリの姫に裏切られる
・コンビを組んだ宝石が月人によりバラバラにされる
・アンタークを月人に奪われる
等々・・・こういった事象によって、フォスは精神面でも変化していくようです。
ターニングポイントである「アンタークを月人に奪われる」で
フォスは性格に陰りが現われますが、
このポイント以降で、「昔の自分はどうであったか」とか、
そういう表現が使われていることが見えています。
つまりは、過去の自分の無知さや無謀さに否定が入った状態になっているのですが、
確かに無知無謀は悪いものかもしれません。ですが、それらを否定する考えになったことが、
果たして成長といえるのか?続きが気になるところではありますね。



では友情の物語、について考えていきましょうか。
シンシャとフォスの関係、
「君にあった楽しい仕事を紹介する」とフォスはシンシャに約束する訳ですが、
フォスは自分の仕事や記憶の欠損で結構シンシャの事を放っておきがちですね。
初期はシンシャに対し一方的にフォスが突っかかっていくだけでしたが、
シンシャがフォスが発言したことに対して期待を持っていた事がわかると、二人の関係性は一方通行ではないことがわかりますね。

シンシャは自暴自棄のような部分をフォスに話してしまい、
それに対してフォスは「シンシャがここにいる必要性」を見つけるために仕事探しをするわけですが、
「ボクは必要なのかな、いやきっと必要だ」というフォス自信の存在への迷いの部分が、
シンシャの「ボクは必要のない存在だ」という部分を否定したかった部分があるからこそ
「月人に連れて行かれたいなんていうなよ!」という叫びなのかも。


この必要かどうか、という部分がこの1期では重要かもしれませんね。
流氷にフォスの腕を持っていかれたときも、
「強い腕があればもっと仕事を任される、必要とされる」という
承認欲求に近いものの誘惑に負けてます。
陰りがみえたフォスも、常に戦力として必要にされ、
必要とされていることが気にならなくなった状態で、
(承認欲求を求めることから抜け出せたというのは確かに成長かも知れませんが)、
フォスを必要としているもの、もしくはフォスが必要としているものが何になるのか、
それが友情なのか、別のものなのか、気になるところですね。


戦いの物語、というのは月人についてですね。
常に敵として現われる月人ですが、
その正体が何かという部分をフォスは突き止めたくなっていきます。
フォスの謎は視聴者の謎で、真相へと近づいていくその過程が面白いのかもしれませんね。

{/netabare}

原作が続いているだけあってまだまだ気になる部分が多いですが、
語るべき所が多い作品ということで、
作品につまった情報量は今期でもトップクラスでしょうね。

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。

投稿 : 2017/12/30
閲覧 : 357
サンキュー:

65

宝石の国のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
宝石の国のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

Progressが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ