北山アキ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
さあ、現代文明を復習しようか
原作未読
最後まで観て
戦争により知識の承継者が途絶えた世界で、寄り添いながら旅をする二人の少女の物語。
生命維持がギリギリな状況にも好奇心を失わず、即席考古学が展開される。
しかし、パラダイムは二人の関係の中にシフトしているので、堅苦しさはない。
無邪気な鋭さとユーモアを交えながら、時に詩的な語り口の妙。
情報密度もあり、見応えのある素晴らしい作品だった。
ポスト最終戦争ではなくても、シンギュラリティなるものが到来した時、僕らも文明の荒野を振り返るのかもしれない。なんてな。
6話まで観て
5話の「雨音」が特別な出来映え。
個人的にインスタント・クラシックだった。
昔の人も環境音からポリリズムを発明したのだろうか?
演出と相まってそんな感慨と感動が込み上げる。
音楽の話。
ポリリズムと言えばPerfumeみたいな風潮もあるが、ああいうもろにハウス・ビートの曲じゃなく、5話の特殊EDの「雨だれの歌」みたいなのをポリリズムって言うんだよ。
あんなポリリズム音楽を聞きたければ、Kip HanrahanのDeep Rumbaがおススメ。
https://www.youtube.com/watch?v=1wapw4SD29I
とか
https://www.youtube.com/watch?v=QHNviIK3cwI
はvocal入ってるので聞きやすい。
vocal無しのリズム楽器の音の洪水みたいなハードコアな曲も多いけど。
ちな、Perfumeはツンデレーションの「PUPPY LOVE」が好きです。
2話まで観て
すごく面白い。
非日常から現代の日常を眺める感じ。
なので、日常系と言えなくはないが、独特のアイロニーがある。
例えば、インフラの恩恵を語りながら、それへの極度の依存状態も暴露する。
知識教育の価値を語りながら、基準が変わった世界でのその限界と空疎さを暴露する。
システムに縛られることで得られる利便性と、システムから解放される自由の二律背反というのもある。
二人きりという最小単位の人間関係に浮かび上がる社会関係の萌芽も面白い。
選べることは少なく、選べないことが多い状況の中で、個体差(性格、体力、知識)が役割分担につながり、共存関係を形成している。
ただし、一見対等に見える関係においても、優越感・劣等感のような感情とは無縁ではなく、容易に関係解消か階級差形成かの分岐点に至るような緊張感が糸を張っている。
ここまでのところ、まったり観るというより、行間の情報量に刺激される作品だと感じている。