退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
4番煎じ
漫画→押井→神山→ARISEで4番煎じです。
しかし十分面白いのです。
こういうリメイクを許せるのもアニメの楽しみ方です。
映像に力が入ってます。アクションシーンも良く出来てます。
電脳ハックの仕組みや記憶の疑似操作も上手。
ちょっと騙されすぎの素子がかわいそうで周りが信じられなくなるかも。
元々子どモトコだった坂本真綾さんが成長して素子役になったのは
初期の映画をリアルタイムで見ていた自分には感慨深いです。
実際にこの話がどこかのストーリーに直結するのではなく、
これはこれ、という割り切りは必要ですのでご注意を。
{netabare} ~
素子は記憶を操作され、視覚もハッキングされて
見えてるものが見えてない状態です。ちょっと精神病みたいで怖いですが。
漫画版の1話ではそもそも依頼が擬似記憶だ、という考えが始まります。
詳しくはそちらで確認ください。
で、見えるものや、自分の記憶が信じられないと「真実は無いのか」という考えや
押井さんお得意の「全て夢かも」という概念にたどり着きます。
押井版では素子が自分はロボットなのかもという自身の存在の疑念を抱きます。
それで、人形遣いや笑い男、ファイヤースターターは
自身の存在や記憶を疑うための、きっかけや象徴に過ぎません。
中二病をこじらして、いささか精神病の一歩手前です。
心理療法の一つに自分のトラウマ(嫌な記憶)をビデオテープ化して
消去するという恐ろしい手法が存在しています。
それが失敗すると、記憶から別の人格が生まれる、
解離性同一性障害に発展しますので、素人は手を出さないように。
こうした自身の存在の疑念や世界そのものへの疑いはSFの醍醐味です。
実際にSF作家には心理カウセラーや精神医学の医者なんかもいます。
フィクションとして楽しむなら、こういう中二病の上、精神病の世界も
良いです。
{/netabare}