「昭和元禄落語心中(TVアニメ動画)」

総合得点
81.2
感想・評価
904
棚に入れた
4165
ランキング
418
★★★★☆ 4.0 (904)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.3
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

まにわに さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

小道具としての落語

噂の…が、初太郎(幼少)が巧過ぎると感じたから、二人に求められているのは落語の声ではなかったことになる。
ドラマ「タイガー&ドラゴン」がよかったので、これもそういう見方が先に立った。

2話:
{netabare}菊比古の目的のなさと、初太郎の誰に向けて話してるかの意識の差。それぞれの演目がこれを修飾。
まともな落語ができるわけがないと当たるのは、遊んでる様子が描かれてないので、自己正当化の言ととれるが、中間的な言い方がおや?と思わせる。
そこが危うさとなり、目的がないのと併せて不穏な印象。{/netabare}

6話:
{netabare}やかんと火箸がよくわからない。
自分の落語に半信半疑だったのが、高座で確信に変わる流れだから、助六の落語を追わないとあそこで決めたことになる。
わからなくしておいて、客前で芸が磨かれる感じにしたのかもしれない。
しかし、あそこがわからないことで、客の歓心を買うだけの独善的な落語になるみたいな解釈もできてしまう。
品川心中の自分本位の花魁みたいな。がここは、死ぬ気で自分の落語をかけて、思いのほか手応えがあったことになぞらえたともとれる。
わからないことを解釈の根拠にしていいものか。変に気に掛かる話となった。{/netabare}

7話から12話途中までと、12話エンドロール以降:
{netabare}恋わずらいの意味がわからないので、ここらあたりから逆算で見るものと判断した。
助六は、野垂れ死にするのでないのがわかってるので、このまま成功するのかと思ったら、すぐに落ちぶれた。
みよ吉は、傍で支えたいでは物語に関われないが、恨み節でソレっぽくなる。
菊比古は、独白のはずなのだが、何を考えているのかわからない。

10話: {netabare}師匠の命懸けの泣き落としが不発。そのなかで、似ることが足枷になる、というのが気になった。菊比古は助六を追うのをやめたのが功を奏し、助六は先代の生き写しなのが災いして、現在の立場になったと感じた。世に出ていない先代助六に似るのはやや事情が違いそうだが。
死神の蝋燭は、弟子をとらないのと、八雲を継がないのと、助六に八雲を継がせるのが同じ理由だとしたら、そっちに掛かってきそう。
八雲を継げば弟子をとったり、後継を探したりで柵が増える。蝋燭を移し替えるように助六に八雲を継がせれば、落語だけができる、という具合。{/netabare}

12話エンドロール以降:
{netabare}芝浜は自堕落な生活をやめて落語に専念する決意表明にも見える。が、ふつうに考えると夢なのは落語のほうで、堅気の生活のためにやめなければならないのは落語。それでみよ吉にも止められてた…ようには見えず、助六の言動には矛盾を感じた。
もしかすると、助六は襖の裏の聞き耳で、落語復帰を誘いに来た菊比古を、みよ吉が死んででも止めようとしていると勘違いしたのではないか?
酔った夢心地で自分の芝浜に浸り、理想の夫婦像をそこに投影していた。落語をやめればそうなれると思い込み、3年後にでももう落語をしてもいいと言われ、夢になるといけねぇと落語家人生に幕を下ろす、はずが。
落語にのめり込んで、勘違いして死んでいった男の話。
こうとれば、心中っぽいなかでも一番心中っぽくなると思うのだが、どうだろうか?{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2018/01/02
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サンキュー:

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