「GOD EATER(ゴッドイーター) メテオライト編(TVアニメ動画)」

総合得点
66.8
感想・評価
140
棚に入れた
1033
ランキング
2720
★★★★☆ 3.8 (140)
物語
3.7
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

2周目の視聴は発見が多くて楽しい

2015年夏季に第1話~第9話、2016年春季に第10話~第13話が放送されました。
私は2017年夏季にBSの再放送で視聴。
原作はゲーム。私自身は未プレイですが、家族がプレイしていたので視聴しました。
本レビューで全13話通して評価しています。


全体的に地味でわかりにくい所もありますが、ストーリー自体は王道でシンプル。研究員3人の過去が物語の進行に合わせてモノクロで挿入されますが流れがわかりにくく、専門用語も多いので予備知識がないととっつきにくいかも。
最後まで見て気に入ったら、2周目を見ると色々発見があって楽しいと思います。

ビジュアルをかなり作り込んでいるのが本作の最大の特徴。
精密な3DCGや背景美術とのバランスを取り、三次元に近い光源を想定した色付けがされています。本作の挑戦は目指す方向性がはっきりしていて、かつ工夫もあり、興味深く視聴しました。
まあ、最初はこの会社は何処に向かっているの…!?なんて思いましたがw
世界観や作風に合わせて全体のバランスを取るやり方は好きです。本作の場合精緻な方に寄せている、というのが他の作品との最大の違い。
ワンシーンが長いことが緊張感を削いでしまうことがあるのは他の方のレビューでも書かれていますが、私も同意見です。
なんとなくですが、演出の感性が実写に近く、「動き」が演出に直結していて尺が必要になるのではないかと…。一つ歯車が狂うとすべて崩壊しそうな危うさは感じます。ゼスティリアザクロスでも同じ印象は受けましたし、良かれ悪しかれ今後もこの会社の演出は変わらないだろうと思います。


BGMは全体的に良いものが多く、英語の曲を挿入歌として多用しています。かなり良い使われ方でしたね。足音や金属音など音響も凝っていて良かったです。
声優さんはゲーム版から続投で、よく合っていますしキャラもしっかり掴んでいます。全体を通して自然体で静かな演技が素晴らしく、呼吸や息遣いまで演技としてしっかり演出されています。

OPのコンテ演出はストーリーを追っていて素晴らしいです。表情の変化なども細かく、物語が進むにつれシーンの意味が次第にわかっていくのが心憎い。
EDもなぜ蓮の花なのか第10話を視聴するとわかるようになっています。


【キャラクターについて】
{netabare}
どのキャラクターもゲーム版よりわかりやすいキャラ付けになっているようです。本作ではアニメオリジナル主人公であるレンカを描くことをより重視していた印象。
個人的には地味なキャラ描写は凄く好きですね。読み取る楽しさがあります。
特に好きだったのが第3話の飛行機上でのレンカとアリサの共闘。アリサの意地の張りっぷりが台詞なしでかなり繊細に描かれていて可愛いw
{/netabare}


【ストーリー】
全体を通して、レンカを描くことで世界観とテーマを浮き彫りにしていく作り。
そのため、レンカの過去を描いた第10話が大きなポイントになります。
{netabare}
第10話を見ると、第1話からの疑問に思った描写がきちんとわかるようになっています。細かな演出は全て計画されていたと思います。
レンカの人間性とその背景、レンカとリンドウの関係、コンパスの意味は特にそうですね。レンカにはアリサ、ソーマ、コウタと共通する部分があるのもここでわかる。構成の工夫が光りました。

度々出てくる「世界を覆す」という言葉は、人の命を脅かすもの全てに向けられていると感じました。
第4話でエイジスの話が出た時、レンカはアリサを救出する際に見た大型のアラガミを思い出しています。常に進化し続けるアラガミから、エイジスで本当に人類を守り続けられるのか、レンカは一瞬疑問に思ったのでしょう。
後にフェンリル極東支部支部長ヨハンの宇宙への脱出用ロケットが描写され、選民政策が強化されていくことを予感させる。専門家であるヨハンは人類がアラガミに勝利することを絶望視しているのです。
第5話でロビーに掲示された生存者数からフェンリル極東支部には21000人ほど生活していることがわかりますが、ロケットに搭乗できるのは千人ほど。ある意味でレンカの懸念は当たっています。

レンカが育ての家族から受け継いだものには、養父の「人が人を選ぶフェンリルのやり方には賛同できない」という考え方もあり、これには壁の内外の一般人を両方描くことで説得力が生まれたと思います。
壁の外で死と隣り合わせでお互い助け合って生きる人々と、息子を死地へ送り出さねばならないコウタの母の苦悩や、壁の外からフェンリルにたどり着いた難民を追い返す門番達の悲壮感も、同じ重さで描写されたのがとても良かったと思います。


あとは小物の使い方が上手でした。
レンカの姉のイロハにリンドウが渡したコンパスは進む先を示すものとして、姉からレンカに渡り、最終的にはリンドウを失ったサクヤに。
深緑のケープは母からお守りとして姉に、姉からレンカに、レンカからアリサに、一度はレンカの手元に戻り最終的にはアリサに。
どちらもレンカが託されるだけでなく、レンカ自身の成長と共に、それを必要とする別の誰かに受け継がれて行きました。 {/netabare}


【ヨハン、ペイラー、アイーシャの過去について】
{netabare}
物語の進行に合わせ、過去のヨハン、ペイラー、アイーシャの過去が断片的に挿入されます。私が読み取れた範囲ですが…

海底からオラクル細胞(アラガミの細胞)を発見したヨハンたちが研究を始める。
それが直接のきっかけかどうかはわからないものの、地球上に異常な生物が発生し始め、数年後に大規模災害のような形でオラクル細胞により地上が崩壊。フェンリル上層部は情報統制と技術の独占を行っていたような描写も。
その中で三人は苦肉の策としてオラクル細胞を使った生体兵器を研究し、オラクル細胞を投与した人間に使用させることを発案。アイーシャは自分を被験体としてオラクル細胞を投与した子を生み(ソーマ出産前にはペイラーはヨハンのもとを去っている)、ヨハンはその子を研究することでデータを蓄積し、ゴッドイーターと神機を実用化させた。
2071年の本編時点で人間がどうにか地球上で生きているのは、それらの研究のおかげ。しかしヨハンはアラガミを根絶するために人類の大多数を犠牲にしてでもアーク計画を実行としている。

という感じでしょうか。2~3回見ないとわからなかった;
{/netabare}
(2017.10.22)

投稿 : 2018/12/06
閲覧 : 407
サンキュー:

6

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