ゲリオ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
高品質なアニメだが作風が苦手
少年少女の冒険ファンタジー。映像技術が素晴らしく、今期で最も力が入っていたアニメーション作品である。
ところがそんな評判の割にそんなに個人的視聴意欲が高くなかったのは、作風が微妙に自分好みでなかったということか…。
たしかに作画は圧倒的だったものの、ストーリーの部分においてテンポが悪かったというか、序盤から世界観を丁寧に描きすぎていたのだろうか、正直言って終盤まで特別に面白いという展開はなかった。
また、作者の少年少女に対する性的嗜好が見え隠れするのに拒否反応があった。少女というより幼女のような見た目のキャラを裸吊りにするような描写に若干嫌気がしたのは私だけだろうか。こういうキャラデザのアニメにそういうのは求める人は少ないと思うのだが。あと、まとめサイトで話題になった「成長期の男の子の乳首が何たら」みたいな作者のコメントは度し難いものがある。
本作の特徴であるショッキングな展開であるが、それが顕著になってきたのは終盤の10話からである。それまでのほのぼの冒険譚からの突然の変容。私は当初からこういう展開になるのは知っていたので驚きはしなかったが、それでもキャラデザとのギャップからキツいことには変わりがないので、こういった残酷描写が苦手な人は注意した方が良いかもしれない。
終盤までストーリー面では大きな評価できない方向でいたが(あくまで個人的な感想)拡大版だった最終回は良かった。ナナチの悲劇的な過去と、それを清算して前へ進もうとする希望のあるエンディングで締め括ることができた。
ナナチは魅力的なキャラだったので登場が遅すぎたのが大変残念なところ。性別は♂か♀か、おそらく後者だと思われるが。
主人公のリコのキャラクターに関しては最後まで違和感があった。秀でた能力があるわけではないのに、明らかに無謀と思える行動は嫌悪感さえ覚える。10話における悲惨な展開も普通に考えてそうなるだろうと。
周りのように手放しで作品を称賛するような気分になれないのは、個人的にリコというキャラが好きになれなかったのが最大の要因かもしれない。
まぁ、批判的なことを多少述べたが、美術面では今期断トツだったし、丁寧に作られた質アニメだったことは間違いない。個人的に苦手だっただけで、全体を通してお勧め度は高めの作品だったと思う。