四文字屋 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
生命と人型の姿を得た宝石たちの、硬質で美しい、不思議な透明感。謎を多く孕む世界観。宝石たちの魅力的キャラクター設定が世界観と共鳴するかのように、この先の展開を暗示していて
非常に独特で、類を見ない物語の始まりが興味深い。
地上を不定期に襲い、宝石たちを拉致しようとする敵(=月人)と、
迎え撃つ宝石たち(=人格をもった鉱物性の生命体)の戦いを軸にして物語が始まるのだが、
戦いはおろか、宝石同士で触れ合うだけでも砕けて壊れてしまうキャラクターというのが、
世界観とマッチしているし、
それでもつなぎ合わせれば普通に生命活動を再開する、死ねない生き物であるという設定が、
まさしくライフサイクルの非常に長い、鉱物の特質と合致しているのが、悲しく、寂しい硬質の世界観を上手く表現している。
この透明で独特な世界を描くために選択されたフルCGという手法が、
まさにドンピシャで、キャラクターの動きや、破砕シーンにも上手く活かされている上に、
CGの美術が透明感のいっそうの醸成に貢献していて、
CGゆえに背景までよく動くのが、目に綺麗に映える。
脚本も優れていて、
独特な世界観を提示するために、どうしてもボリュームの増えてしまう説明台詞を、
上手くダイアログに乗せる手腕が、なかなかの手練れの技で冴えている。
キャラ造型では、ミスリードでないなら、妙な関係性を暗示する、
敵=月人と、宝石たちの導師である金剛先生の、
仏像と僧侶の姿という奇妙な符合が、これから先の、
謎と向き合って戦い続けることになるであろう、宝石たちの未来に
何か陰を落としているようで不穏なのもいい。
これは間違いなく、第1級のハイファンタジーだ。
ただし。
初見では世界観の把握はかなり困難。
スペックが高くて、アニメIQが鍛えられる作品。
上手く掴めれば、その後は非常に心地よく視聴できる。
最終話まで視聴。
非常に残念だった。
{netabare}ここまでしかストーリーは進められなかったんだ。
もっと、作品の世界にひたっていたかったし、
もっと、世界の秘密を、フォスといっしょに探って行きたかった。
ギャグにもアクションにもますます磨きがかかって、
原作のストック次第だけれども、円盤セールスはかなり稼げそうだし、
早く続きを見たい!{/netabare}
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