takumi@ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
純粋さと危うさを伴いつつ ほのぼのにホッとする
残された幼い子どもを引き取って育てるという設定は、映画やドラマをはじめ、
他のアニメでも似たような物語は今までたくさんあったが、
この作品のひと味違うところは、りんとダイキチのお互いの向き合い方なのだろうな。
ダイキチにとって、祖父の隠し子であるりんは叔母であり、
りんにとっては、父親の面影を残した甥になるわけで。
当然、現実的に考えれば複雑な想いはあったはずなのだけれど、
そこはあえてハッキリとは描かず、血のつながりや続柄を超えた
人と人としての絆に焦点を絞ったことで、
この作品に流れるあたたかな空気が保たれているんだと思う。
ダイキチの母親の視点で考えた場合、
りんを、息子であるダイキチが育てていく決心をした時に反対した気持ちも
もちろんわかるけれど、その後ダイキチ達をすごくあたたかく見守っていけたのは、
りんの素朴でかわいらしい魅力のほかに、同じ父親を愛する同じ想いや
大切にしている想い出に同じ部分があったことがおそらく大きかったのだと思う。
少し大人びた6歳であるりんの中に、共感できるものがあったからこそ
2人を素直に認めることができた。それはダイキチの母親にとっても、
亡き父をあたたかい目で認めることに繋がり、良かったなと感じた。
また、ダイキチのいきなりの子育てぶりも、彼が真剣であればあるほど、
観ているこちらはハラハラしたり、ホッとしたり。
でもダイキチはどんどん父性に目覚めていき、{netabare} りんの実母に会いに行ってみる。{/netabare}
あの時あらためて、りんへの彼の想いや決心が定まった気がする。
赤ちゃんのうちから育てていけば、親も徐々に育っていけるのだが、
6歳からいきなり育てていくのは、予想以上に大変なことだろう。
ちょっと病気にもなれば大慌てし、必死で看病しながら回復を望むし、
日々一緒にいれば、ただただ可愛いがってるだけではままならない
綺麗ごとばかりでは済まされない現実的な側面もあるわけで、
そのあたりが少しではあるけど描かれていたのは、好感持てた。
そして、りんが全くスレてなくて賢く健気で可愛いくて。
彼女のそんな魅力が、作品全体をあたたかく
優しい空気で包んでいるんだなと、そこが心地良かった。
原作だと、彼女が高校生へと成長したその後も描かれ、
なんとなんと!な展開になるようだが、それもアリかもなと、
納得させられてしまうのは、この子ども時代の純粋な愛情があってこそなのだと思う。
つまるところ、血の繋がりとか、戸籍とか、法的な家族よりも
想いの深い繋がりや固い絆があってこそ、本当の家族と言えるのだよね。
個人的には、2期があった場合、高校生からじゃなく、
子育てで親が一番悩み、難しい時期とされる小学校高学年から
中学時代くらいのりんとダイキチの姿を観てみたい。