Acacia さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
小説を書くことは人間を書く事。
2期で一気に面白さが増しましたね。
コミックの原作、及び画の方は文豪を美化して
各代表作を想像で異能力につなげてる…。
そんな想像されてもおかしくはない1期でしたが、
「小説を書くという事は人間を書く事」
織田作之助の生きた時代の文豪達に出てくる登場人物は、
懸命に、堕ちもし、苦しみ生きています。
「人は死を恐れ、同時に死に惹きつけられる。街で文学で死は繰り返し消費されていく」
悪趣味かも知れません。それでも、悲劇に感動し死を美化する事を好む
人間は大勢いるんです。人間が始めたばかりの舞台演劇は
「喜劇」か「悲劇」しかなかった様に。
原作陣は文豪がどう生き、どの様な作品を後世に残したか、
分かってやってます。分かってて、太宰治と芥川の関係性を正反対にしたり
泉鏡花を少女にしたり、与謝野晶子の異能力の真意を無視して
この作品を創っています。
中島敦の虎、太宰治の入水、中原中也の服装などはにやりとする所…なのかな?(笑
この作品はそんな文豪達の作品に倣い、嘘で固めながらも
「人間」を。血塗れになりながらも「優しい世界」を描いています。
アニメで原作の画と演出を更に昇華しているので、
原作よりもこちらのアニメの方がお勧めかも知れません。
個人的には15話の諏訪部さんの叫びの演技は心が苦しくなりました。
叫ぶ演技にもこんなアプローチがあるんですね。
最終回まで観て頂ければ、観る価値はある作品だったと
感じられるのではないかと思います。
BDも購入し、劇場版も完全新作との事。期待してます。