ゲリオ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
続編を期待したい良作
美少女スパイアクション。原作のないオリジナルアニメということで、最近のオリアニ事情を鑑みるに不安があったが、結果としては見事に当たりアニメだった。
一言で言えば非常にバランスの良かったアニメである。
まず、19世紀末のイギリスを舞台としながらも、架空の歴史を辿っており、さらにSFチックな科学技術も存在するという世界観の設定が素晴らしい。
ハードボイルド風の物語でありながら、メインとなる登場人物が美少女キャラという一見すればミスマッチなところも、意外と釣り合いが取れてて違和感がなかった。むしろこういうアニメを待っていたんだという気さえした。
作画も終始クオリティの高さを保っており、特に5話の殺陣アクションは圧巻の一言だった。アニメーション制作にアクタス(あの悪名高い)が関わっていたのが心配されたが杞憂に終わった。制作スケジュールがきちんと管理されていたのだろうか、すべてのアニメがこうあってほしいものであるが。
声優の起用に関しても安易に売れっ子にするのではなく、あまり知られていない実力派の人を抜擢したことが好印象である。
なんだかベタ褒めのレビューになってしまったが、あえて不満点を言うとするならば物語が1クールで収束しなかったところだろうか。続編の制作が期待できると言えば聞こえが良いが…
本作は基本1話完結のオムニバス形式の作品。各話の時系列がバラバラになっており、毎話タイトルのcase~の部分が時系列順となるが、最終回である12話がcase24ということは残りの12回部分が抜け落ちていることになる。これは是非とも2期を制作し残りの部分を補完せねばなるまい。そもそも前述した通り、ストーリーは最終話を終えても完結していない…ということは以後の話も見てみたいということで3期になるか?
飛躍しすぎた期待となるが、私のように本作を評価する人が多くいれば良いと思う。いずれにしろ、ブルーレイや携帯ゲームの売り上げ次第ということになるだろう。
キャラクターで一番好きだったのはドロシー。お色気担当なのに意外と性格は情に厚いところが良かった。担当回である6話の終わり方は予想通りの展開だったとは言え、来るはずのない人を笑顔で待つドロシーの表情に胸が締め付けられ、非常に印象に残るビターエンドだった。この場面に限らず本作は王道的な見せ場が多々見受けられ、演出面に関しても安定した出来栄えだったと言える。