「新世界より(TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
3349
棚に入れた
15971
ランキング
156
★★★★☆ 3.9 (3349)
物語
4.2
作画
3.6
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この世界には秘密がある。私は真実を知りたいだけ――。

貴志祐介による小説を原作としたアニメ。

原作未読のため、初めは世界観も用語もさっぱりで、
見るのが辛かったです^^;

が、その我慢を差し引いてもこの作品は面白かった。

きっと原作未読の人は
このアニメを観た後に原作に飛び込みたくなったでしょうね。

私も飛び込みたい気持ちでいっぱいです。笑

全25話です。


● ストーリー
人間が呪力(じゅりょく)という超能力を使える世界。

渡辺早季(わたなべ さき)、朝比奈覚(あさひな さとる)、
秋月真理亜(あきづき まりあ)、伊東守(いとう まもる)、
青沼瞬(あおぬま しゅん)、天野麗子(あまの れいこ)。

この6人は小学校「和貴園(わきえん)」を卒業し、
呪力の訓練を行う「全人学級(ぜんじんがっきゅう)」に入学した一班のメンバー。

麗子を除いた5人は、夏のキャンプで
「ミノシロモドキ」と呼ばれる過去の図書館のアーカイブと遭遇する。

そして、今から1000年前の文明が滅んだ理由や、
現在の社会のしくみに関係する秘密を知ってしまう。

ここから早季たちの過酷な運命が幕を開ける…。


物語は、
12歳編・14歳編・26歳編の3部から構成されています。


【 第1部:12歳編(7話まで) 】

希望の光が全く見えない、
展開が予想できない、
話の意味がわからない、の三拍子はきつかったですw

しかし、この後の第2部・第3部がどんどん面白くなるので、
第1部は序章だと思って我慢してください。


【 第2部:14歳編(7話~16話) 】

世界の秘密はほとんどここで明らかになります。
だから目が離せない。

仲が良く、平和だった5人の時間は
いつからか壊れ初めていたのだと気づかされるのもここ。

さらに、性に目覚め始め、
男女のいちゃこら…ではなく、同性のいちゃこらが始まるのもここww

そういう社会なので。

しかも社会的抑止力なしなので、
校内のあちこちで同性カップルがいちゃいちゃ。

改めて教育の力ってすごいなと思いました。

私達にとって「何が普通」なのかは、
結局社会や教育によって決められているものでしかない。

早季たちは呪力に対する社会のしくみに
「そんなのおかしい。」と反発しながらも、

こういうことには何の疑問も抱いていない。だってそれが普通だから。

私達の世界にも、普通に受け入れているけれど、
違う角度から見るとおかしなこと、たくさんあるのだろうな…。


【 第3部:26歳編(17~25話) 】

この作品のクライマックス。
面白さも山場!

物語のカギを握るのは、
ネズミのような外見をしたバケネズミという哺乳類。

人間のように知性や言葉、社会を持ち、
人間を神として崇め、服従している生き物です。

第1部でも第2部でも、
早季たちは必ずバケネズミの力を借りていました。

なので、影の主要キャラとも言えるのが、
このバケネズミたち。

彼らの生態とこれまでの物語で明らかになった人間の生態の、
総まとめのようなぶつかり合い。

絶望的な展開続きだし、もはやホラーだし、
怖くて仕方ないですが、

面白さのほうが大きく上回っているので、
ホラーが苦手な私でも観るのは苦痛になりませんでした。

毎話、30分という時間があっという間でした。


【 まとめ 】

3部まで観て、
「これはすごい作品だ。」と感服でした。

本当は★5つけたかったのだけど、
補足がないとよくわからない部分も多かったので、
★4.5に留めました。


【 最後まで観た後に開く、第2の物語 】

アニメのキャッチコピーは「偽りの神に抗え」。

この言葉の本当の意味が、
最終話まで観てようやくわかりました。

{netabare}
このキャッチコピーは、
バケネズミの立場に立ったものだったのですね。

早季たち目線で物語を観ると、
ある程度すっきりとした、ハッピーエンドのようでした。

しかし、スクィーラ目線で物語をたどると…。

この物語の真の主人公が
バケネズミだった、とすると…。

そんな、また違った物語を想像することができます。

{/netabare}

物語の中で何度か争いが起こりますが、

勝者には明るい未来が顔を出し、

敗者にはそれまでの人生が無になるばかりではなく、
暗闇と死しか残っていない未来が待っている。

正義を語るのは、勝者にしか許されないことだから。


● 音楽
【 前半ED「割れたリンゴ」/ 渡辺早季(種田梨沙) 】
【 後半ED「雪に咲く花」/ 秋月真理亜(花澤香菜) 】

どちらもいい感じです。

私は後半のマリアEDの方が好きかなあ。

物語とリンクして、
とっても切ない気持ちになります。


OPはありませんが、代わりに
ナレーションと共に「陰の伝承歌」というBGMが流れることが多いです。

これが作品の雰囲気に合いすぎている名曲です…!


● まとめ
すごい作品だった。これはすごい。

「想像力こそが、すべてを変える。」

自分が生きている世界。
それを無意識のうちに信じている私達。

見方を変えれば、世界は変わる。
想像すれば、世界は変えられる。

早季たちは1000年後の未来に生きていた。

さらに1000年後の世界は、
変われているのだろうか。

私達が暮らす今の時代、
そこから1000年後の子どもたちが幸せであることを願ってやみません。

投稿 : 2017/10/07
閲覧 : 344
サンキュー:

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