岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「実力至上主義」とはなんぞや
原作未読。
主人公が入学した実力至上主義を謳う学校はクラス格差の存在する独自の校風。学校内でのポイントを利用した生活、生徒やクラス同士で発生するトラブル。岸監督作品「暗殺教室」に似たものがあるが、本作は生徒がメインのお話で教師は基本的に口を出さず、頭脳戦の雰囲気が強い。
人並外れた能力があるにも関わらずあくまで影のフィクサーとして、裏で暗躍するという主人公を中心に物語は進む。上位クラスを目指しての生徒同士での交渉や派閥争い、裏での探り合いや駆け引きといった頭脳戦的な描写が多く、終盤は教室から離れて島でキャンプ。なかなか新鮮な展開だった。
キャラクターは主人公が好きになれるか、の一点。スタンスや性格的に癖の強いキャラクターで、声優の演技も棒読みでぼそぼそとした芝居に寄せている。その他のキャラクターも特徴や伏線はあるものの出したまま、回収はしない部分も多かった。各キャラの人物描写は薄かったが、キャラの数と物語の設定でカバーしていた印象。各クラスのまとまりに差をつけ、キャラクターに色を出そうという意図は感じられた。ヒロインをはじめ女性陣は基本可愛く描いているが、画にやや癖があり当初は違和感があった。特に瞳の虹彩の色味が独特で、少し気になる。
「本当の実力、平等とは何か」というキャッチコピーに惹かれて視聴した作品。結局のところ、本作のいう実力とは何なのかよくわからないまま終わってしまった印象。学力、運動能力、コミュニケーション能力、リーダーシップ、あるいは主人公のような立ち回り方。タイトルと設定や内容がどこか噛み合っているような、いないような。そのあたりは2期があれば明らかになっていく、重要なテーマなのだと思いたい。