狗が身 さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
雑感。
合間合間は面白かったんだけど、やっぱり全体のストーリーを観ると腑に落ちないんだよなあ…。
大雑把に例えるなら、自由に憧れて家を飛び出した娘が、思ってたのと違う現実に直面して結局は実家に助けを求めて、でも助けを呼んでからやっぱり後悔したけどそのまま連れて行かれるって話。
かぐや姫には同情するし、悲しい物語だとは思う。月での記憶が初めからあればもっと能動的に自分を幸せにすべく奮闘しただろうし、月に助けも求めなかったかもしれない。
しかしそれはそれとして、なんだかチグハグな作品だったように思う。
この物語に、かぐや姫の性格は合わない気がする。
月側の考えを否定して、自然と共に健やかに生きることを肯定したいのであれば、かぐや姫がもっと月の使者にガツンと主張しても良かっただろうに。論破する間もなく記憶ポイされとるがな。
で、合間に挟まれた笑いのシーンにしても、そのシーンが直後のシリアスな場面へのキッカケに使われてるから、素直に笑っても後味が悪い。
具体的に例を挙げると誠実そうに思えた石作皇子の言葉が、彼の妻の出現によってただの口説き文句だったと判明するシーン。ここで笑えたんだけど、かぐや姫はというとなんか絶望してる。
で、石上中納言が落下して頭から壺にハマるシーン。ここも笑えたんだけど、これがキッカケで彼は亡くなって、かぐや姫は自分を叱責する。笑ったこっちからすれば「え、あ、なんかごめん…」ってなる。
もうちょっと方向性を分かりやすくして欲しかったかな~。