STONE さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
感じるヒーロー愛
いい意味で既存作品を色々と組み合わせたような印象。ご当地ヒロインという基本コンセプトは
「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」(以後、ろこどると表記)を彷彿とさせるし、
ストーリー展開は「ラブライブ!」を思わせる。
そう言えば本作の主人公の一人である赤来 杏と、ろこどるの主人公の宇佐美 奈々子はどっちも
中の人が伊藤 美来氏で、タイプこそ違うが出てくると場が明るくなるところなどは似ていた
ような。
そして、既存作品と言えば、新旧の特撮ヒーローネタの数々がこれでもかというぐらいに
入ってくるが、これが特撮ヒーロー愛を感じるもの。シリーズ構成が特撮ものも多く手掛けている
荒川 稔久氏だけに納得。
こういった既存作品からの引用ネタは特撮ヒーローだけでなく、様々なジャンルからもありで
油断できない。
こういったオマージュ感溢れるネタは本編のみならず、サブタイトルや予告にまで及んでおり、
隅々まで楽しめる。
ストーリーは現実に増えつつあるご当地ヒーロー(ヒロイン)が更に発展したような世界観に
おいて、ご当地ヒロインによる地域おこし、及び陽菜野市文化会館の取り壊し阻止のために奮闘する
展開。
このヒロイン活動も順風満帆とは行かず、トラブルも多々あったが、お寺が会場で使えなくなった
ことで廃止になったプラットホームというユニークな会場を得たり、カジュダイオーが
カミダイオーの著作権侵害という抗議を受けるとオリジナルヒロインであるチアフルーツを
立ち上げたりと、マイナスをプラスに転じていく流れは楽しい。
チアフルーツのメンバーは9人とやや多めながら、それぞれがちゃんと魅力を発揮。
次第にメンバーが集まっていき、各メンバーが己の特技を活かしていく流れは王道的な面白さが
あった。
ただ序盤でヒーローショー的なことを始めた杏と黄瀬 美甘を軸に話が進むかと思っていたら、
次第に城ヶ根 御前が中心となってきたのはやや意外だった。
この御前の不幸ネタだが、当初はコメディ要因といった印象でその内容も笑えるような印象で
あったのに、予想以上にストーリー上のキーワードになるシリアスなものであったのはこれまた
意外。
際立って凄いところは感じられなかったが、全体的にうまくまとまっていた感のある作品。
惜しかったのはヒーローショーのシーンなどの動的要素が映える部分に止め絵が多かったこと。
2019/08/25