Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
銀の騎操士、異世界に舞い降りる
この作品の原作は未読です。
これまで数多くの作品が輩出されたロボットファンタジー系の作品…
そのため人の記憶に残る作品を作る…これは相当ハードルの高いジャンルだと思います。
だって何をやってもありきたりで二番煎じ…
そのくらい設定は出し尽くされていて枯渇状態と言っても過言ではありません。
ですが、この手のジャンルの作品が消える事はありません。
ロボットへの憧れ…愛機と一緒に活躍する表舞台…
きっと頭の中の空想の世界はきっと無限に広がっているのでしょう…
でも一番の理由は「ロボットが好きだから」に他ならないと思います。
この物語の主人公もきっと3度のご飯よりロボットが好きなエルネスティ・エチェバルリア…
体形は小柄で銀髪碧眼の持ち主で美形なエルネスティ…通称エルに起きた出来事はきっと奇跡だったのだと思います。
世の中が彼に合わなかった…とは思いません。
現に彼は天才的なスキルを駆使して仕事をバリバリこなし、周囲から一目置かれる存在でしたから…
そんな彼に対し神様は非情なのか…それとも彼の願いを叶えたのか…
それはきっと彼の物語を視聴した私たちが決めれば良い事だと思います。
そんな風に思えたのは、どんな境遇に立たされても彼の瞳と言動がいつだって輝いていましたから…
物語の舞台は巨大ロボットであるシルエットナイトが闊歩する騎士と魔法の世界…
目にするもの全てが新鮮で斬新で…そして憧れ続けてきたロボットを目の当たりにしたエルは大好きなロボットを自ら動かしたいという欲求に駆られ物語が動いていきます。
「好きこそ物の上手なれ」は、間違いなく騎操士を目指して奮闘するエルのことだと思います。
いえ、彼は決して奮闘しているつもりは無かったでしょう…
好きだからもっともっと知りたい…彼の欲求は極めてシンプル…だけど物事を極める上でその気持ち一番大事であるという事が否が応でも刷り込まれた気がします。
レビューの冒頭で書きましたが、この作品が記憶に残る作品かどうか…
というと、記憶に残る作品だと思います。
でも、私にとっての決め手は物語の設定や世界観ではありませんでした。
ファンタジーの醍醐味であり真骨頂である強く願って努力すれば報われる世界…
エルの大胆な言動も突飛な発想も全てが良い方向に回っていく…
そう、物語の展開とテンポの痛快感が半端無いんです。
物語が痛快であること…
一見作品の意図する本質と違えている気がしなくもありません。
きっと一線があるのだと思います。
その一線を越えると、まるで奇跡のような…私たちが積み重ねる日々の生活で夢見るサクセスストーリーに物語が昇華するのだと思います。
この作品を通して視聴する楽しみ方に広がりを感じたような気がしました。
そして、この作品でもう一つ記憶に残ること…
それはシルエットナイトが無茶苦茶格好良い、ということです。
アニメの視聴を始めたころ、ロボット系の作品は決して得意ではありませんでした。
なので、結果的にこの手の作品をたくさん見てきたわけではありませんが、
エルのイカルガや、キッドとアニーの人馬機などはデザインが洗練されている上、縦横無尽に駆け巡る雄姿は素直に格好良いと思いました。
あくせく働くサラリーマンの夢を追い続けたサクセスストーリー…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、fhánaさんの「Hello!My World!!」
エンディングテーマは、大橋彩香さんの「ユー&アイ」
fhánaさんの伸びやかな高音はいつ聞いても気持ち良いです。
1クールに1曲は絶対聴きたい…私にとってそんな歌い手さんです。
今回の曲も大好きでした。
1クール全13話の物語でした。
レビューを書くためにwikiをチラ見して知ったのですが、アニメでは構成の都合上、省略されたエピソードがたくさんあったそうです。
それに伴って登場が見送られたキャラもいたとか…
せっかく原作のストックがあるのだから省略なんてしなければ良いのに…
個人的には省略をする都合が全然理解できないです。
確かに物語には区切りがあります。
アニメ化するならある一定の尺に収めなければいけないので、調整が入るのは仕方の無いことだと思います。
でもバッサリ切り捨てるのとは訳が違います。
後から前日檀として回想すれば成立はするのかもしれませんけれど…
エルの今後の益々の活躍を期待しつつ、続編の可能性を待ちたいと思います。