「メイドインアビス(TVアニメ動画)」

総合得点
92.7
感想・評価
2258
棚に入れた
9331
ランキング
17
★★★★★ 4.1 (2258)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

毎週金曜日が待ち遠しくなる作品でした。

{netabare}
・13話の感想
ナナチとミーティーの過去、ミーティーの葬い、そして旅立ち。最終回といってもググッと明るく盛り上がる訳ではなく、あくまで自然の摂理や理不尽な人物に翻弄されるナナチやミーティー、リコやレグを、違和感を起こすような誇大なく描いていて良かったと思う。それぞれの登場人物が、過去から現在にかけての大きな悲しみを抱えながら、レグやリコ、ナナチのお互いの繋がりがもたらす小さな喜びを前を向く糧として生きている様子が健気で美しいし、こういった人々のつながりが希望をもたらす展開は現実でも起こり得るかも、と思えるファンタジーとリアルのバランスをうまく取ることができていて良かったと思う。

・アニメ全体の感想
アニメ全体の感想としては、よく議論になっていた進み具合はそれほど遅く感じなかった。これ以上早くするとかえって簡単にアビスを攻略しすぎであるような感じがしてしまうと思う。ただ9話のオリジナル展開はもう少しどうにかしようがあったように思える。レグが火葬砲を撃つまでは良かったと思うが、その後のリコの行動が8話までのそれと比べても浅はかで、能動的にトラブルに巻き込まれすぎな感じがする。もう少し思慮深く、例えばレグが昏睡から覚めるまで留まることにしたものの、なんらかの要素で移動せざるを得なくなるなど、リコがトラブルに陥る要素に受動的なものがあったほうが、リコの奮闘を越えてくるアビスの脅威を視聴者に実感させ、展開によりリアリティを出せたのではないだろうか。こういうリコの少し違和感のある浅はかさは、9話ほどではないにしろ他の話でも散見される(8話の水汲み時のカバとか、もう少しだけ周りを見ることができていればいいのかも)ので、難しい部分であるとは思うが、行動の精神年齢のさじ加減をもう少し吟味して欲しかったところがある。

その以外に関しては概ね満足で、美しい背景や奥行きのある劇伴によってもたらされる緻密で幻想的な世界観には圧倒された。1話の日の出のシーンには感動やふくらむ期待がおり混じって今でも涙がこみ上げてくる。
また3話でリコがナットをすぐに許すところ、10話でリコが腕の切断を指示したり、レグが後悔しながらもリコを治療する場面、13話でナナチが火葬前のミーティーに一度は駆け寄るもののすぐに離れ火葬をお願いする場面などから、登場人物たちが大きな悲しみや辛さを抱えながらも常に前を向こうと努力して、その時々の最善の判断を迅速に下せていることが見て取れ、幼い(ナナチは幼いのかわからないが)ながらに探洞家、冒険者としての、私情よりも将来のことを優先できる精神力を備えていることを表現できていたと思う。

物語が心の底から明るくなれるような希望一辺倒ではないこと、人物が等身大だからこそ、「必殺技で決めてめでたしめでたし」のようなアニメ的でドラマチックな大スペクタクルが見られる訳ではないので、万人ウケするかといったら正直懐疑的にならざるを得ないが、自分としては残酷でどうしようもなく大きいアビスや白笛に翻弄されるリコたちが満足できるリアリティを保ちながら描かれていたと思うし、作画も劇伴も始終良かったので、この作品に出会えたことはとても良かったと思う。

OSTも買って聞いたが、まるで映画の劇伴のようでとても感動し、一曲一曲大切に作ったという意思が伝わってきた。Kevin Penkin氏(作曲者)はすごい。
曲の最後で一つの楽器を残して他の音は静まり、唯一残されたリズムやメロディが次第に消えていくという曲も何曲かあり、まるでオーケストラコンサートを聞いているかのように思えた。
コードも知らない素人だが、劇伴としてだけではなく単体の音楽的価値もあるように思えた。
{/netabare}

投稿 : 2017/09/30
閲覧 : 173

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