jolljoll さんの感想・評価
4.5
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
パイプは探偵の証
TV版に先駆けて発売されたドラマCDでは、ヴィクトリカの声優さんは斎藤千和さんでしたが、TV版では悠木碧さんに変更になっています。斎藤さん演じるヴィクトリカの方が声がしゃがれていたので、ヘビースモーカーらしいといえばらしかったですが、TV版の方もドス(?)を効かせながらもかわいらしさを失わない、魅力的なヴィクトリカを演じられています。ドラマCD版とTV版で同じ話があるので、両者を比較してみてもおもしろいかもしれません。
話の内容ですが、ヨーロッパにある架空の小国を舞台にした推理ものです。時代は第一次大戦後から、第二次大戦直後までになります。ホームズがヴィクトリカでワトソン君が一弥です。推理する事件も、単純な愛憎劇というよりは、歴史的な事件とリンクした、わりと壮大なものになっています。それ故に、全体的に駆け足気味にストーリーが進行してしまったのは、ちょっと残念だったかなと思います。しかし、2クールの中で一応綺麗に完結できたことは作品の完成度を上げる一つの要因になっています。何より人に勧めやすいです。
物語評価の難点として、全体的なストーリー進行の速さともう一つ、原作であったヴィクトリカが一弥の住所を自分の体にセルフ入れ墨するシーンがカットされてしまっていたところです。このシーンはヴィクトリカが狂おしい程に一弥を想っているいることが表れている非常にクールなシーンだと思うので、それが無かったことが残念でなりません。
全体の作風に対しては、これは登場キャラが皆かわいいので仕方ないのですが、怖いと思える程に暗いトーンがあれば完璧でした。
作画はさすがのボンズです。ミュシャのようなOPもGOODです。
原作ではこのあとニューヨーク編が続くので、そちらもアニメ化して欲しいですね。