yuugetu さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
女児向け作品とまみかの描写に違和感があり断念※辛口注意※(若干修正)
2017年春アニメ。全22話。
本作が好きな方は読まないでくださいね!
一応12話くらいまでは観ていました。
ただまみかの描写には最初から結構違和感があって、まみかが退場してからは録画はしていたものの、本編終了してもそのフォローがなかったようなのでこのまま断念で良いかな、と思っています。
{netabare}
主人公の颯太君は応援したいと思いましたし他のキャラクター達も魅力的で、物語も先が気にはなりました。
ただ、こういった作品は被造物の描写にはスタッフの考えが反映されるように思います。
そこで私がどうしても気になったのが女児向けアニメに対する考え方です。
この作品が女児向け作品をどう捉えているのかが、私にはわからない。というか、良く知らずに作っているのではないかと思う部分がありました。
それが悪い意味で気になってしまい、本作の世界観に没頭できなくなったのが断念の理由です。
まみかが女児向けであると明言されていなければ気にしなかったでしょう。実在の作品が出ているわけではないので、ちょっといちゃもんっぽいのは自覚しているのですが…
私が思ったような意見はネット上では見かけないので、あえて書いてもいいかもしれないと考えてこのレビューを書きました。
以下具体的に気になったことを挙げます。
{netabare}
まず、女児向けのバトル要素ありのアニメ作品ということで、おそらくイメージの元になったのはプリキュアだと思います。
にもかかわらず、作品タイトルが「マジカルスレイヤーまみか」というのが最初の違和感でした。「スレイヤー」という言葉は「殺害する者、死をもたらす者」の意味なので、女児向け作品のみならず子ども向け作品に適しているとは思えません。
次にセレジアと最初に出会ったときの「あなたの世界だって、みんなが戦い合ってる酷い世界なんでしょう?そんな世界を作る神様なんてあたしは許せない」という台詞。「あなたの世界だって」という言い方から、まみかの世界もそうなのかな?と…
女児向けの世界観ならある程度優しいものが普通で、まみかが頑張れば平和になるのを前提としているんじゃないかと思うんですが…まみかの世界観は創造主にすがらないと平和にならないほど酷いものなんでしょうか?
ならそれって倫理観に厳しすぎるくらい厳しい今の時代の子ども向けとはちょっと違うんじゃないかなあ。何より視聴者である未就学児の女の子たちが憧れる世界観でなくてはならないわけですし。
まみか自身が戦闘力(浄化の力ではない)を有していて、ろくに話し合いもしようとせずセレジアに戦いを仕掛ける流れもよくわからない。世界が違うから傷つける力になってしまうのかも知れませんが、そのあたりには明確な説明が欲しかった。
そもそも変身少女は大切なものを守るために戦うわけで、敵を倒すことや自分の主張を力で押し通すことは女児向けアニメの主人公に似つかわしくないように感じました。
なので自分の主張をしっかり話していたアルタイルとの会話は良かったです。けれども、子ども向けアニメの主人公であるまみかというキャラクターは本来の物語の中では、製作者の明確な狙いが無い限り、最初からそれができるキャラクター付けがされているのが自然ではないかと思います。
アルタイルとの直談判に向かう前のアリステリアとの会話で、「この世界は複雑で難しい」と言っていますが、脚本に子ども向けは単純だという意図があるように感じてしまいました。
確かに子ども向けはシンプルな作りにはしますが、それが単純であることとイコールかというとそうでもない。重く難しいテーマをシンプルにわかりやすく、優しい描写で伝えていくのが本来の子ども向けだと私は思うんです。実際、いくつもの子ども向け作品でそれは実現されています。
本作の中でまみかは確かに成長していますが、その成長をまみかの本来の世界ではできないと言われているようで、あまりいい気分ではありませんでした。
{/netabare}
本作の評価の高さは理解できます。興味深い世界観や設定ですし、中盤までは視聴しましたがクオリティも高く物語の進め方もとても良かったと思います。
はっきり言って、私は子ども向け作品に対するこだわりと理想が強すぎるということなんでしょう。
ただ大人向けとはまた違った深さと難しさがあるのが子ども向けなので、せっかく女児向けアニメの主人公であるまみかを登場させたのなら、それを描いてくれたら良かったのに、と残念に思います。 {/netabare}
(2017.9.28)