捨熊 さんの感想・評価
2.0
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
視聴者の思い出によって補完されるストーリー展開
冒頭の数分間(新規のシーン)は素晴らしかった。テロップによる情報量の多さも私にとっては、期待を増長させてくれるものとしてすんなり受け入れられました。
しかし、(一応ちょっと設定違うのでパラレルですが)基本的にはTV版前半部分の総集編でした。
新規のシーンは冒頭の数分間とラストシーンくらいで、その他はTVシリーズの23話前後までの総集編。
具体的には冒頭を除き、レントンの語りと共に回想が延々続いていくわけですが、物語の始まり(旅立ち)から語るのではなく、「8時間前」を起点に進んだり戻ったりしながら進行します。
それだけではなく、回想中に説明のために更に過去の回想が入って、また元の回想に戻って……と、非常に分かりづらい構成です。
アニメシリーズを観ていなければ、正確に物語を理解できるかどうか怪しいものです。
また、意図的に行なっているのかもしれませんが、レントンとエウレカの出会いも関係もほとんど描かずにレントンは「君」ことエウレカへの思いを語り続けます。
TV版ファンはこの「レントンの心情」を思い出で補完できるかもしれませんが、初見さんは当然無理でしょう。
全体を通して、「過去作を知っていて補完される物語」になってしまっているのが非常に残念です。
また、TV版の映像を切り貼りして音声乗っけただけのようで、画面サイズも3:4のまま。今時、映画館で3:4の映像観ることになるとは思いませんでした。
あとはやはりホランドの声優さんが藤原啓治さんじゃないのは違和感があり残念です。
パラレルワールドということで、次回作からはTV版とは違う展開があるのかもしれませんが、この映画版第1作のみに関しては「エウレカセブンを思い出すための映像」でしかなかったというのが正直な感想です。
初見さんはまず、TVシリーズ全部観てから観ることをお勧めします。