kooodain さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
心理戦ではなく「ただの」ギャンブル。そこが最高。
「ただの」ギャンブルとは私個人としては褒め言葉です。
この作品は現実のギャンブルと比べてはいけないという点があります。
多くの方の解釈ではギャンブルは勝つ事を目的にしていると解釈されます。
ですがギャンブルの本質はこの作品のとおりです。
リスクを負ってまでそのスリルを味わう。
これがギャンブルに嵌りやみつきになる要因です。
その点でこの作品はよく出来ていました。
まず主人公の夢子ですが先述の通りのギャンブル狂です。
そしてその対極にあるのが早乙女です。
早乙女はギャンブルを勝つために行い勝たなければ意味がないという立ち位置です。
その点で早乙女はとてもリアリティのあるキャラでした。
ですがギャンブルは勝ち負けの可能性がほぼ対等な程面白いのです。
勝つ可能性が5割の勝負は6割の勝負よりスリルがあります。
また勝つ可能性が4割程度の勝負はもっとスリルがあります。
その緊張感が普段得られない快感を生み出すのです。
この点が理解できない方々にはこの作品は向いていません。
これは勝って金を得るための勝負ではなくギャンブルなのですから。
そして面白いのが学園にいる殆どは保身や立場という現実に限りなく近い形である点です。
勝って自分の立場を良くするという即物的で現実的な世界になっています。
現実にはもっと沢山ギャンブル狂が日本にはいますが…。
後もう一点説明は作中でありますが金の価値が安すぎるという点です。
基本的には金持ちしかいないので金の価値は我々一般人からしたらおかしく感じます。
ですが金を出すリスクで将来を買う学園と考えれば全くもって割に合う金額です。
また心理戦というタグが付いていますがその点に関しては少し薄いです。
なぜなら主人公がギャンブル狂だからです。
精神や胆力等は最終的には関係ないのがギャンブル狂ですw
ですので作中でも勝負は心理戦だけでなく結局はギャンブルの快感に帰結します。
ですがギャンブル好きからするとそれこそが良いのであって心理戦はおまけです。
心理戦と言うよりはただのギャンブル作品とも言えるでしょう。
あと液体が飛びすぎです…。
個人的にはこの点がとんでもなく苦手なのでそれさえなければ最高の作品でした。
とにかくギャンブル好きには見てほしいです。
ギャンブルが好きなのか勝つのが好きなのかが解る作品かもしれません。
あと最後に…。
この作品を見た後に麻雀をやると負けます('-' )
リスクを負いすぎて私は負けました……。
やはり麻雀はギャンブルではなく偶然性を予想に入れた実力の出る知的ゲームでした…。
▼物語の評価
ギャンブル物としては最高の出来です。
ギャンブルのリスクを負う際の快感を表現しようとしている数少ない作品です。
内容は心理戦ではなくその快感を求める賭ケグルイの話です。
心理戦として見ようとした人からすると物足りないかもしれません。
▼作画の評価
汁が飛びすぎで、苦手な人は多いのではないでしょうか。
また悶すぎで、こちらも苦手な人は苦手だと思います。
ただ高クオリティで安定はしています。
OPの作画がとても素晴らしいです。
EDは逆に手抜きに感じました…意図はある程度理解できますが。
▼声優の評価
演技が素晴らしいですw
この様な普通でない狂った演技が必要な作品はそんなに無いので力が問われるはずです。
アフレコ現場も素晴らしかったのではないかと想像していますw
▼音楽の評価
OPはちょっと歌が下手です…。
EDは歌は結構良かったです。
BGMは可もなく不可も無くと言った感じでしょうか。
正直覚えていません…。
▼キャラの評価
キャラはやけにキャラ付けが激しいです。
ギャンブル狂の話なので仕方ないとは思いますがただの変態もいるので…。
少しやり過ぎな印章はありました。
夢子が心理戦や勝負に強いのではなくただのギャンブル狂という点で個人的には大満足です。