金属兵 さんの感想・評価
1.7
物語 : 1.5
作画 : 1.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
声優の宣伝として利用された不遇な作品(でも紛れもなくダメアニメ)
まず、このアニメは2006年にキッズステーションのアニメ情報番組『アニメぱらだいす!』で放送されていた5分、いや、『実質3分』のミニアニメです。一体それに何の問題があるのかは後述。
あまり知られていませんが、森野あるじ氏は2000年代前半にネット上で起きたFlashアニメーション黄金時代のパイオニア的存在です(代表作は『つきのはしずく』、『YUKINO』『The Mother Mars』など)モーショントゥイーンにを最大限に駆使したダイナミックなアニメーション、ジブリとガイナックスを融合させた世界観、可愛らしいキャラクター、そしてぐっと来させるエモーショナルなストーリーによって多くのフォロアーを生み出しました。
『葉ノ香』は森野あるじ氏の記念すべき(今のところ)最初で最後のオリジナル商業Flashアニメーションです(一応過去に『ピンキーストリート』のWebアニメや『ナイトメア・オブ・ドルアーガ』のスペシャルアニメも担当してましたが)。
このアニメの一番の問題は『製作会社の自社声優及び歌手への媚び』でしょうか。声優プロダクションのRAMSが製作した故か、その媚びがすざましく、『声優に合うイメージでキャラを作れ』と実際に森野氏の企画時のアイデア(オッサン+兵器少女のバディもの)を全否定するレベルにまで達していたようで...いくらなんでも容易に自社声優の為のアニメを作ればいいものではないですね。
通常の5分未満のショートアニメは魅力や深みを最大限に詰め込む為の工夫がありますが。『葉ノ香』にはそれがなく、本来1話15分‐30分で作るべきアニメを無理やり3分に要約したように見えてしまいます。そのくせ主題歌である『Dual Love on Planets ~葉ノ香~』が1分30秒も尺を取っていたりしてます。
『葉ノ香』は森野あるじ氏の過去作品と世界観を共有する作品でもあります。従って、森野あるじ氏の作品を観ていない人たちには理解し難い部分が少々あり、余計に足を引っ張っている気がします。「どこかで聞いたような」ベタベタな設定とかストーリー展開は昔から指摘されているようですが。
作画は...森野氏の自主制作Flash作品の高クオリティ感を期待すると、完全に肩透かしを喰らいます。1話を10日のペースで、実質一人で作った事実を聞いたら少し納得できますが、それでもこのクオリティをテレビで流すのはあからさまに無茶が過ぎるかと...
2008年には一部の話数に追加シーンを入れたDVD版が発売されましたが、一部の突っ込みどころが無くなった分、別の問題点が浮上してるような...
よって、5点中1.7点とさせていただきます。