「Re:CREATORS(レクリエイターズ)(TVアニメ動画)」

総合得点
85.2
感想・評価
1070
棚に入れた
5288
ランキング
252
★★★★☆ 3.7 (1070)
物語
3.6
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

バトルものとしてはウーンだったんだけど。。。

 漫画、アニメ、ゲームなどの異なった世界観を持つキャラが現実世界に一堂に会して戦うバトル
ものというわけで、実情を知らないエリミネーション・チャンバー・フェスを目にするファンなどは
そのクロスオーバーイベントに盛り上がるだろうし、実情を知っているクリエーター達も世界の
危機という問題に苦慮しながらも状況自体に興奮している部分はあるだろうとは思う。
 しかし、実際に「Re:CREATORS」という作品を観ている視聴者からすると、いずれもこの
作品で初めて知るキャラに過ぎないわけで、オールスター的な興奮など望むべくもない。それこそ
作品内で言う承認力が足りない状況なんだもん。
 あと細かい話だけど、本作自体がアニメ作品であるため、二次元キャラが現れてもそれほど
違和感がないが、現実でこんなことが起きたら、正直気持悪そう。まあ、これは野暮なこと
かもしれないけど。

 バトルものとしてはウーンといった印象。
 まず敵対する者のパワーバランスがあまり良くないと言うか・・・、要するにアルタイルが
強すぎ。アルタイルがラスボスであるために他のキャラより強いのは判るのだが。
 作品内の設定はさておき、メタ的にはこういったクロスオーバー展開はチームを組むことで強大な
敵に対抗できるという効果を生むものだが、チームを組んでもまったく相手にならない展開と
いうのはどうなんだろう?。

 あとアルタイルだが、後半の扱いを見るに単なる憎々しいキャラというだけでなく、創造者である
シマザキ セツナの問題から来る悲劇的存在という描かれ方をしており、視聴者にアルタイルに
対する共感を望んでいるように思える。
 それはセツナを死に至らしめた無責任なネットの声という現実にも存在するものを批判している
ようにも思えるのだが。
 ただ、個人的にはアルタイルというキャラに共感を抱くにはまだ掘り下げが足りなかったように
感じた。
 アルタイルの悲しみ、怒りを視聴者に伝えるためにはセツナのくだりに関して、観ているのが
辛くなるぐらいの鬱展開描写をしないと共感を抱くには至らないんじゃないかな。

 バトル展開の結末は主人公である水篠 颯太がセツナ自体を被造物として登場させる展開で解決
する。
 主人公が最終的に締める。そして、颯太が作品内でセツナを個人的に知る唯一の人物で
あることからもその役としては適任であるし、この展開は颯太自体の成長を描くことにもなり、この
行為自体はそう悪くないのだが、長々とバトルをやった末の最終的解決がこれというのは拍子抜けの
感があり、少なくとも作品内でのエリミネーション・チャンバー・フェスを見に行った観衆は
ポカーンじゃなかったのではないかと。

 テレビ放映時は敵対する者が対峙してもやたらと会話が多く、更に戦闘自体もやや単調な印象で
全体的に間延びした感があったのだが、そのことに関しては今回一気観をしてその印象はちょっと
変わり、それほど冗長な感じはなかった。
 観方によって印象が変わるのはこうやってレビューを書くスタンスとしてはフェアではない気も
するんだけど、こういうことは結構あったりする。漫画なんかも連載時と単行本で一気読みすると
印象が変わることがあったり。
 各話に小さなクライマックスがあるような構成だと毎回それなりに盛り上がるが、逆に一気に
観ると一本調子で単調に感じられたり、逆に間延びして感じられたものが一気観すると思いのほか
良い溜めになっていることがあったり。

 バトルものとしては印象が悪かったのだが、これがキャラクタードラマとして観るとかなり印象が
変わる。
 クリエーターと被創造物の出会いにより、クリエーターの作品に対する思いなどが描かれたり、
逆に被創造物から気付かされることがあったりと、なかなか興味深い展開。
 同じクリエーターでも作品や創作活動に対するスタンスが異なるわけで、そういった差異が
描かれているのも面白いところで、作り手側はむしろこういった部分を伝えたかったのかなという
感があった。
 キャラも現界した二次元キャラより、クリエーターサイドの方が印象深い者が多かった。
 個人的には二次元キャラが現界する設定はそのままに、バトル要素のないコメディ風味の
ヒューマンドラマだったら、結構はまったような気がする。例えばファンタジー要素のある
SHIROBAKOみたいな。

 中盤にあった総集編に関しては、他作品の総集編と較べて、屈指の出来。

2019/10/27
2019/10/27 加筆
2019/12/20 改行位置、接続詞変更
2020/05/19 誤字修正

投稿 : 2020/05/19
閲覧 : 663
サンキュー:

10

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