四畳半愛好家 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
案外「僕等の青春」だって、きれいなものだったのかもしれない…
この作品には、英雄も王女様も出てこないし、本作と同様「恋愛」に主眼を置いた少女漫画作品のようなイケメンすら出てこない。
ただ2人の中学生がお互いに意識し、惹かれていく…そんなどこにでもあるような「青春」を懇切丁寧に描いている等身大のラブストーリー作品である。
この作品を視聴している最中に感じた「もどかしさ」や「なつかしさ」…
アニメは沢山見てきたけど、こういった感覚になったのは初めてだったかと思う。それだけでもこの作品は僕にとって特別な価値がある。(ただ、中学生はラブホにはいかないよね?…それとも今は違うの…?)
いたってありふれた青春描写の中で確かに感じられた「きれいさ」
案外「僕等の青春」だって、きれいなものだったのかもしれない何て思えたり…。
ただ、この作品は「等身大」のまま終わらない。
きっと多くの人にとって、中学生時代の「青春」は、多かれ少なかれ「甘酸っぱさ」と同じくらいの「ほろ苦さ」を抱えてる。
あの時は、本当に好きで離れたくないと思っていてても、いつしか重過ぎる社会の中ですり潰され、どこかですれ違ってしまう…。
だからこそ、ヒロインの姉等2人の周りの人たちによる「大人な」説教についつい同調してしまう自分がいる。
そんな中で2人が出した答えとゴール。
本作で唯一「アニメ的」な部分だったかもしれない最終場面…。
「等身大」を前面に押した本作からすると、ある意味で唯一「ぶれた」隙ともいえる場面。
しかし「残念」だとは微塵も思わなかった。
2人を心から祝福したいと思った。
清々しいと思った。
いつしか僕等が裏切ることとなってしまった、青春時代に交わした儚い約束たち…それらを単純な「愛」で乗り越えてしまった2人にちょっぴり嫉妬しつつ…感想を終える。