lll1 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人情味あふれる名作。
ようやく観れました。
これは本物です。2016年公開の映画はたくさん見たけど、やっと本物を観ることができた。
決してこの映画のつくりが上手いとか、構成が巧みだとかは思わないです。映画としてのレベルが高い作品では無いと思う。
だけど、監督や原作者や、映画に関わった人々の優しさや、愛情が物凄くつまってる。登場人物、ドラマパート、脚本、作画、声優から伝わってくる。
観てるときは、ずっと辛かったです。何でもないこの時代の普通の生活を描くドラマシーンでも、涙が出そうになる。反戦思想の押しつけのようなシーンは無かったが、戦争による生活の辛さはいたるところから感じられる。
{netabare}この先何が起こるか分かってるから、それが本当につらくて仕方がなかった。 {/netabare}
そんな中でも懸命に生きている人々の頑張りや、戦争の辛さ、日本の愚かさ、色々な感情が生まれて複雑な気持ちになり、感傷的になった。
この前「ハクソー・リッジ」を見ました。アメリカ側からの視点で日本との戦いを描いていたものだから、両方の視点からこの映画を観ていたので余計につらかった。
観終わって、ザ・フォーク・クルセイダーズの「悲しくてやりきれない」の歌詞が胸にしみる。エンディングに流した方が、もっと視聴者はつらい気持ちになったと思う。オープニングにしたのは良い采配だと思う。この映画を思い返したとき、最初にあの音楽が頭に流れる。
世界各国の映画祭にもっと出品したり、各国で劇場公開して、唯一の原爆が投下された日本の、この時代の現実を、情に厚いこの作品から受け止めてほしいです。