まりす さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
メシがうまい理由
本作の飯描写について良い所と悪い所を書きます。
まず、飯テロはあまり感じませんでした。
料理の作画の拘りは半端ないのですが、
あのピカピカした食事シーンで彼女達が言ってることが
よくわからない。
「この○○に××がよく合ってまるで△△のようです…」
これはレシピの形質や魅力を表現しているのであって、
画面に映っているものが「何故美味しいのか」の理由付けが
無ければ、
作中の蕎麦も近所の普通の蕎麦屋で食う蕎麦も同じです。
作中で見られた「美味しい」の理由付けはこんな感じでしょうか。
①人と一緒に食べると笑顔になれる → 美味しい!
②相手のことを思って作っている → 美味しい!
③手間をかけている → 美味しい!
④素材が良い → 美味しい!
こうした理由が視聴者の「納得感」に繋がったとき、
「あー、こういう食事良いな」「食べてみたいな」
と感じるんだと思います。
中でも①と②はこの作品の根幹部分なので、多用されています。
ここにブレない軸があるから安心して観れました。
その一方で、私のような メシ食うのもアニメ観るのも
いつも1人という孤独な視聴者は
①と②を感覚的に理解できない場合があります。
俺の横にきりんはいねえんだよ。
そういう人間が信用するのは③や④です。
こういう合理的な理由付けが為されると、
「食べてみたい」という感情が湧き上がる。
(美味しんぼ とか コンビニの料理漫画とかはそんな感じ)
だからこそ、①②③が揃ったきりんのお弁当のお話と
①②③④全部が揃ったサンマを焼くあの話は最高だと思います。
特にお弁当の話はきりんが工夫した点をリョウが細かく解説してくれてる
から余計美味しそうに見えました。
でも第三者的には美味くない弁当。でもこの上なく美味しい。
一元的な、合理的な価値観を塗り替えるほどの②が示されたんですね。
これは私のような人間にとって 最も刺激的な部分でした。
一部分については本当に観てよかった。
お目汚し失礼いたしました。