シャベール大佐 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
テーマは悪くないけど、全体的にやや掘り下げ不足気味
就職活動に苦戦していた主人公・木春由乃が、ちょっとした勘違いから、1年間の期間限定で間野山という田舎町の町おこしに奮闘することになる、といったストーリーのお仕事系アニメ。全25話。
P.A.WORKSのオリジナル作品ということで期待度は高かったのですが、満足度はそこそこといった感じでした。
東京で壁にぶつかっている若い女性が田舎へ行き、良いところも悪いところも含めて田舎の現実を知る中で、自分の本当に進むべき道をみつける、みたいな物語は、なんとなく近い系統の小説(重松清や誉田哲也の作品など)を読んだこともあったりして、個人的にはあまり目新しさを感じませんでしたが、作品の大きな枠組みとしては別に悪くなかったと思います。ただ、この作品は、その枠を埋める中身の部分が弱かったような印象でした。コメディとしての笑いも、真面目なドラマとしての掘り下げも、キャラの成長物語としても、どれもまあそれなりレベル。地方の嫁不足問題などもいちおう取り上げていますが、主要キャラが若い女性5人なのに、そこの恋愛を描かず、脇役やモブキャラだけの「お見合いツアー」なんて企画をさらっと描かれても、なんだか白けてしまいます。祭りで盛り上げるという展開も、観ていて正直、「また祭りですか」という気もして、やや安易に思えました。
作画は、間野山という田舎町の描写が、美しくて感動するほどでもなく、逆に、衰退して死にかけの町といった負の魅力もなく、観ていてあまり心を惹かれない絵でした。
キャラでは、由乃もオーソドックスな主人公タイプで悪くないですが、観光協会の会長の丑松、喫茶店の娘・エリカなど、脇役のほうが個性は強かったように思いました。
なんだかずいぶん酷評のようになりましたが、普通に最後まで観ることはできましたし、特につまらないというわけではなかったです。最終回の終わり方などは結構好きでした。ただ、全体的には、やや中途半端な印象を受けました。真面目路線でいくのか、コメディ路線でいくのか、作画の雰囲気も含めて、もっとどちらかに振り切っても良かったような気はします。