あんと萬 さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:途中で断念した
ヒロインになろう!
昨今目にすることも多くなったいわゆるご当地盛り上げアニメ。
1話の作りが面白く丁寧だったのが印象的でした。作品のコンセプトの底にあるのは「特撮」の観念で、本作には多くの特撮系作品のパロディが散りばめられている。全体的にセンスがあり、9人のキャラクターたちの魅力もよく皆キャラが立っている。作画の傾向上キャラの描き方が似通っていても、そういった理由から一人一人の名前が覚えやすいのはgood!視聴者が自分のペースで楽しめる良いアニメ。
ここからはお叱りタイム。
先ほども言った通り第1話はとても面白いのだが、回を重ねるごとに「好きなやつ以外は見なくてもよい」という匂いが強くなってしまっている面が目立ちそれが作品全体を包む低評価の原因になっている。地域の盛り上げをテーマにしているのにご当地ヒーローランキングの順位の話も、どのような活動をするか市との掛け合いをするという話も出てこず、彼女たちはずっとヒーローショーの台本の話ばかりしている。違うんだ!視聴者が見たいのはそういうとこばかりじゃないんだよ!やるべきことはたくさんあるはずなのに12話のアニメの6話でまだメンバー加入の話をしている時に自分は『このアニメをこれ以上見ることはできない』となってしまった。
視聴者は常にアニメを切るタイミングを計っている。面白い作品には視聴者が作品から離れようとした時に如何にして視聴者の心を掴んで離さないかという工夫がある。しかしこのアニメにその工夫は、残念だが無い。ヒロインたちはいつまでも身の上話を続け特撮作品のパロディを繰り返して遊んでいる。そういうことを面白いと感じるのはファンだけ。制作側が視聴者の本当に望んでいることを知ろうとしてないし視聴者のほうを見ていない。そうした問答の末、視聴者が見るのを辞めようとしたときに、このアニメは『去る人は追わなくていい。見続けてくれる人だけ見ればいい』とまるで言い放っている。自分はそういう姿勢に怒っている。
このことに対して「アニメなんてみんな自由にみればいいじゃない」と思う方もいるかもしれない。確かにそうです。でも開き直って自分の殻に閉じこもるのは簡単なんですよ。そしてそれが世の中を変えることは何もない。で、それで終わりなんです。全部終わり。僕が聞いてるのは、ほんとにそれでいいの?ってこと。
こちとら自分に都合の悪い展開見せられて怒ってるわけでもなければパロディを自分が理解できなくて怒ってるわけでもない。そんな薄っぺらい視聴者ではない。
本気でアニメを観てるから怒っているんです。
作り手も本気でぶつかってきてください。
これらの作りの癖はおそらく脚本の荒川さんのものではないかと自分は踏んでいます。前に関わったアニメ「アクティヴレイド」もそういった匂いがありましたから。いくら自分の畑で成功してるといっても自己満足のような作り方はしちゃいけないでしょう。アニメは特撮のファンではない人も観に来るのですから。