たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
夢見る機械
現実は楽しいだろうか?夢は明るいか?
毎日の日常を生きていると、ふと抜け出したくなることが多々ある。
ゲームやアニメや漫画はそういった退屈な社会から抜け出すための装置であり、ファンタジーや恋愛もののアニメや漫画を見るのも現実の代換え行為でしかない。
去年、世にも奇妙な物語で諸星大二郎の「夢みる機械」が実写ドラマ化された。
ドラマそのものは昨今のドラマより非常に構成や演出が巧みな力作だったように思える。
そしてなによりも、この「パプリカ」の次回作として企画された今敏のアニメ映画こそが、「夢みる機械」そのものだった。
残念ながら今敏監督はその夢半ばに亡くなられてしまったことが実に惜しい。
今敏監督は「妄想代理人」などの大人向けアダルトで哲学的な映像作家であり、現実社会に切り込むとともに創造性豊かなアニメ的快楽を突き詰めた監督だったと思う。
脚本は若干荒いが、「パプリカ」はその最たるものだ。
作画に関しては言うことなし、現実的な世界と妄想世界が入り乱れる演出も素晴らしいの一言である。
なにより、諸星大二郎や押井守、筒井康隆作品のような倒錯的なSF世界を映像化できる数少ないSF映画監督だった。
今こういったアニメを作れる映像作家は稀である。
改めて皆に問おう。
現実(リアル)は楽しいだろうか?
今敏に影響された代表的な映画監督として、
クリストファーノーラン、ダーレンアロノフスキーなどが挙げられる。
どちらも米、英アカデミー賞常連監督だ。