じぇりー さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
私の心はヤスんでいるのか…
ここでは、1期と2期のレビューをまとめて書くことにする。
原作未読である上に、滅多にこんなことを思うことはないのだが、作品を見始めてまず最初に感じた事は―
「キャラと声が合っていない。」
だった。
そして、話数が進むにつれて増えていく登場人物…その殆どが聞き覚えのある声ばかり。
神様を題材にしたストーリーなので、人気声優に「あやかって」作品のヒット祈念にしたかったのだろうか。
特にこのジャンルが好きで、狙って選んで視聴しているわけではないのに、よく出会う「妖」が出てくるアニメ。今の日本のアニメ界のトレンドなのか。
そんな、群雄割拠する「妖モノのアニメ」の中で抜きん出た存在になるには、相当な工夫が必要かと思われる。
制作陣もそれを理解していたのだろう。前述の人気声優の惜しみない起用に加え、音楽も疾走感のあるロックテイストのOPと癒し効果のあるポップなED、戦闘シーンでの決め台詞や妖が退治された際のエフェクトなど、大衆受けを狙った感がてんこ盛りである。
いやでも、これは「工夫」や「オリジナリティー」とは違う。ヒットするマーケティング理論に基づいて、周到に創り上げられた作品という印象だ。
ストーリーやキャラクターはいかにも女性原作者らしいもので、主人公・夜トという普段はだらしなく認知度も低い神様が、いざ戦いとなると一気にカッコよく決める! という女性ウケを狙った設定。
夜ト以外にも人間臭い神様たちが次々登場し、彼らの使役する「神器」たちとの関係性もそれぞれの「お家事情」で異なるという、バラエティー感。
メインキャラはヒロイン・ひよりを除いて全て「人ならざる者」でありながらも、親しみやすいキャラクター性を強調し、神々や神器同士のワチャワチャ感を出すことで、「なんかスタイリッシュだけど、ほっこりもできる」作品…ということになっている。
ただ私個人的には、この内輪ノリ感はあまり好ましく思えない。
2シーズンを通して、この作品はいくつかのエピソードに分類できる。
序盤の導入部分はさておき、その後の各エピソードの展開はワンパターンだったと言わざるを得ない。
事件が起きる→{netabare}夜ト・雪音・ひよりの間で何らかのトラブル発生→ひよりがモチベーター的な役割でアシストして夜トや雪音が奮起する→夜ト・雪音コンビで強敵ぶっ倒す→「いい話」的にエピソードが終わる→…と思いきや実はこの事件の背後には黒幕がいて…{/netabare}→次のエピソードへ
的な流れである。
ギャグとシリアスシーンの切り替えが早いのも本作の特徴だが、これを「テンポが良い」とか「緩急がある」とは評価できない。
原作のエッセンスを凝縮して、限られた話数の中で詰め込みたかったのだろう。やや展開が駆け足ぎみ。
作画は総じて良く、女性人気の高そうな作品ではあるものの、私は最後までキャラに感情移入することもなく、ストーリーに感動することもできなかった。
ヒットすることを「目指して」作られた作品ではなく、ヒットすることを「狙って」作られた感じのある作品だとさえ思った。
そんな私の心はヤスんでいますか…?