岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
クリーンに笑っていいのか...
本作の第一印象は、主人公の「潔癖症」をネタにしたコメディ路線を豪華ベテランキャストで描くというもの。「坂本ですが?」にスポーツ要素を加えた作品ぐらいの認識。
基本的にはその路線で間違いなかったが、主人公の潔癖設定を笑っていいのかダメなのか、気になってしまった。作中で、「主人公は極度の潔癖なため接触プレーができず、プレーの大きなディスアドバンテージになっている」という顧問の話。それでもサッカーが好きだった彼は、誰にも触れさせないプレースタイルを会得。さらにラスト5分は勝つために汚れも我慢して一生懸命プレーする。ここだけ切り取ると結構シリアスな内容にも捉えられるし、ネタ路線より純粋スポーツものでやったほうが面白いのでは?とも。
「黒子のバスケ」で主人公にバスケの才能がなく、それでもバスケを続けるために唯一無二のパス技術を磨く、という設定と似ている気がする。ネタに完全に寄せている感じに思えなかったので、設定が中途半端な印象。
物語は要所要所でサッカーの試合が入るが、あまり演出に期待はしない方がいいかも。臨場感やダイナミックな動きを期待しすぎてしまうと、試合話がやや苦痛。もちろん青山が負けることはないので、チームも負けない。試合展開は安心して見れる。眼鏡くんの回のエピソードはなかなかよかった。
キャラクターはサッカーに関係ないキャラも多く、中盤はほとんどサッカー以外の同級生の話など全体的にまとまりに欠けていた印象。キャラが色々出ること自体は悪くない。
「月刊少女野崎くん」では学校・仕事・恋愛などきちんと場面の柱を立てて、その中でキャラの関係性を上手に描いていたが、こちらはインパクトはあるものの基本的に単発登場が多い。キャラの動かし方をもう少しうまくまとめてほしかったかな。
とはいえ声優さんは大変豪華で、声優目当てでもまあ楽しめる。キャラデザは好印象で、特に女性キャラは非常にかわいく描けていてよかった。青山が問題なく触れられるバスケ部の女子は魅力的なキャラだったので、もう少し出番が欲しかった。
全体的に「坂本ですが?」とコンセプトは似ていたようだが、物語や舞台設定などに工夫があれば、より楽しめた作品。