おぬごん さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
良設定のラブコメ
同名のWebコミックが原作
最近のメディアミックスのトレンドか、この後には実写映画が控えているようでTV放送中もCMが流れていましたね
ちなみに映画は後述の設定とは逆の、女1:男2なのだとか…露骨な女性客意識!
「超・少子化対策基本法」という架空の法律により、16歳以上の人には国が演算により決めた相手との恋愛・結婚が義務づけられた、謂わば恋愛ディストピア社会が舞台
主人公の男子高校生と、その初恋の相手、国により決められた結婚相手、主にこの3人の恋模様が描かれます
ちなみに主人公の名前は・根島由佳吏(ゆかり)
原作では上記の法律の通称を「ゆかり法」、その下で育った世代を「ゆかり世代」と呼ぶようですが、アニメでは主人公の名前と紛らわしいからかなるべく言及を避けていたように思います
良い判断ですね
いきなり個人的な話ですが、この年(もうすぐ28)にもなると恋愛で何より難しいのは出会いだと痛感する次第です
なので国が自動的に理想の相手を見つけてくれるこの作品の法律・社会が非常に魅力的に映ってしまって…(苦笑)
ですが実際に自分が高校生だった時のことを考えると、それはもう恋愛真っ盛りだったわけで、作中のキャラたちのように葛藤に苦しむこともあったんじゃないかと思います
話作りの舞台装置としても、読者(視聴者)を惹きつける飛び道具としても、非常に優秀な設定だと思います
{netabare}主人公の親友と見せかけて(?)主人公に恋する男子・仁坂の存在も面白かったですね
「あれ?でもこの社会では同性愛者はどうなっちゃうの?」というもっともな疑問を体現する存在だったわけですが、この仁坂の秘密が明らかになってからぐっと作品が面白くなったように感じました
ただ未完作品の宿命か、結局ヒロイン2人どっちつかずのラストになってしまい、それもあって主人公が優柔不断で流されやすい不誠実な男としてしか印象に残らなくなってしまったのは残念なところです
まあ実際あの立場になってしまったら男はみんなああなってしまいそうなんですけど、それでも最終回ラストの主人公の決意が「自分に嘘をつかずに両方を好きな気持ちを認める」なのは、いくらタイトルに絡んでいるとはいえやはり受け入れがたいというか…
あと主人公、ヒロイン2人にはなよなよしてて優柔不断なのに、仁坂に対してはやたら積極的で…ホモ臭いんですよねw
この作品、設定が秀逸なので主人公&ヒロインは読者が自分を重ね合わせられて、色々と思いを巡らせられるようなキャラであるべきだと思うんですが、こと主人公に関しては古墳趣味や逢坂良太のなよなよ演技なんかも相まって感情移入が難しいキャラでした
あとC.V.谷山紀章の厚労省の役人が、主人公に嘘を吹き込んだシーンも大いに疑問でした
現実だったらあんなの大問題だよ!!
一方、C.V.黒沢ともよの方の役人のセックス談義は変な苦笑いが出ましたw
21歳の若手声優にあれを言わせるか…的なw
{/netabare}
ヒロイン2人、特に結婚相手の莉々奈は可愛かったですね!
2人を演じる花澤さんと牧野由依の声質・演技もあり、魅力的なWヒロインだったと思います
総じて、設定やラブコメ描写は秀逸なものの、アニメとしてはもう一つ足りなかったかな…?という印象です
あと個人的に気になった点なんですが、この作品のOPとEDの映像、歌の歌詞やテンポと全く関係ない動きでキャラの口を動かすんですよね
キャラが歌っているかのように歌詞に合わせ口パクさせる演出はよくありますが、この作品の口パクはあくまでキャラの会話シーンの切り取りとして挿入されているようです
…ですが、これが非っっっっ常に違和感を感じて…端的に言えば、気持ち悪い
多分人間の心理的に、耳に聞こえてくる言葉と口の動きのタイミングがズレていると混乱するんでしょうね
スタッフ、作ってて違和感無かったのかな…?