Progress さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
春崎はロングの方が好きでした・・・
タイトルは男子諸君みんな思ったでしょ?って感想を。どうでしょう?
さて、ざっと書いていきましょう。
まず、あまり主人公達の達観ぶりが好きではなくて、1クール目はあまり注目してみてはいませんでした。だれもかれも冷静すぎるし、遊びっ気がない性格で、リアリティや共感を呼べる話をつくれることが出来るのか?と疑問がありました。
ただ、それは後々に描かれる、主人公達の胸に秘めた思いや、心境の変化、序盤と終盤での人物の変化を描くためには必要だったものだと思います。
感情の起伏に乏しかった春埼美空の変化であったりとか、最初は冷静だった相麻菫の激しい心の揺れ動き、いつも自分の思いを隠しているような浅井ケイが見せた素直な気持ちの独白など・・・
弱そうな人間だった春崎では成長する強さを描き、強そうな人物(相麻、浅井、浦地)では様々な弱さを描く、そうして人間の陽と陰を描き、人物で描くコントラストが強めになっています。
恋愛作品としてみれば、相麻の片思いの、悲哀に満ちたストーリーがかなりの好印象ではあったのですが、これは春崎美空の作る光があってこその影であったと振り返っています。浅井への疑いのない気持ちやまっすぐな恋愛感情、寄り道せずに気持ちを伝えるような春崎と違って、相麻の恋愛は尽くすような行動による間接的な愛の表現。
素直で思いを伝えることが出来る春崎の恋と、思いを伝えることが中々出来なかった相麻の恋、葛藤の中で悩む相麻の恋は共感を得たと思いますが、理想として春崎の恋を描いたせいか、春崎の性格に現実離れ感を多少のこした感は否めなかったです。
主人公である浅井ケイは強い弱いの部分が自然に入り混じったニュートラルな存在になったと思います。(作者の目指す真の強さを獲得したともとれました)
最初は彼は少し尊大に見えましたが、相麻の死と向き合い、能力に向き合い、周りを見渡せるような視点を持つようになっていきいます。
また、彼は最初から弱さを知っているし、それを利用する狡猾さも持ち合わせている。
ただし、彼のそんな完成された狡猾さを自身が皮肉るように春崎の変化について述べているのは春崎がとても狡猾さとは無縁な素直でまっすぐな陽だから、色々なことを策略する自分には眩しい存在なのかな、と振り返りました。
総評
2クール目からは人の変化、感情が際立ってきてとても楽しい作品でした。1クール目は伏線のばら撒きだったとしても、もう少し人間くささがあっても良かったんじゃないかなと。
結末や後半の盛り上がりがあるのでオススメしたいですが、1クール目は思い入れのない方には辛いかもしれません。頑張って乗り切って欲しい!
追記
初めて公式サイトを見ましたが、キャッチコピーとして、浦地の主張が「強さと正しさで、この世界をやり直す」浅井の主張が「弱くて美しい、この世界を守る」なんですね。強さ弱さの部分は本文で散々書いたけど、「正しさ」と「美しい」は「否定」と「肯定」の意味なんだろうな。