ワドルディ隊員 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2016年に公開された作品の中でも傑作の域に達するアニメ
このアニメは、2016年度公開のアニメ映画で
一番気になっていた作品である。
事情により映画館で見ることができなかったため
Blu-rayを購入し、視聴した。
視聴後は、なんとも言えない感覚が残り
レビューをどう書くか悩んでいた。
自分なりに精一杯やってみたが、
上手く伝わらないかもしれないので気長に
見てもらえると幸いだ。
大抵の戦争映画は鬱要素もしくはグロテスクな描写
を含むことがほとんどであるが、この作品に関しては
その要素は非常に薄い印象を受けた。
(全くないという訳ではない。)
鬱だから、グロいからといった理由で謙遜した人もいると思うが
私は老若男女問わず誰にも見られるように作られていると感じる。
戦時中におけるすずの日常をメインに展開しているためだ。
身構えることなく、視聴できるのでないだろうか。
他の戦争映画との大きな違いは
戦争で奪われたことによる悲惨さだけで終わらず
奪われたとしても、立ち止まらずに自分の力で
生き続けていく姿勢が大事だと伝えている点だと思う。
すずを通じた一般人の視点から、戦争の怖さを丁寧に
描写しているのも大きな特徴。
ふとした瞬間にいきなり地獄絵図に変わってしまう
のはこんな感じだったのだろうかと我ながら思った。
作画も声優も自分はそこまで気にならなかった。
うまくこの作品に調和していると思う。
演出面では爆撃のシーンを水彩画で表現していた部分が
一番印象的だった。
これが現実だと受け入れられない感覚を
うまく描いていると思った。
実は伏線も細かな部分で描かれているが、
あまり意識せずに見ているとわからなくなる可能性がある。
何度も見るのはめんどくさいと思う方には
解説サイトがあるので、それで全部解決だ。
すごく感動したが、泣くことはできなかった。
なぜだろう。無駄に長生きしたせいか
感受性が乏しくなったかもしれない。
エンドロールもすごく印象的だった。
個人的にこのアニメはとても不思議な魅力を
もっている傑作だと感じている。
また、私が日本のアニメ鑑賞を再開する
きっかけになった作品である。
このアニメに出会えて本当に良かった。