シャベール大佐 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
作品の内容よりも、作者の労力や技術のほうに感心するかも
その中でだけ住人が特別な能力を使える街・咲良田(さくらだ)を舞台にした、青春+異能バトルといった系統の作品。全24話。
異能バトルといっても頭脳戦的な要素が強く、ミステリーっぽい雰囲気もあります。また最後まで観終わってみると、当初に思ったよりも、恋愛要素が物語の重要な部分を占めていたという印象でした。
1つのエピソードは、短いもので1話、長いものは最長5話で描いていて、それらの積み重ねで全体のストーリーを作っています。設定や展開はかなり複雑で、原作を読むか、または繰り返しの視聴をしないと、内容を完全に理解するのは難しいと思います。個人的にはこの作品に対してそこまでの意欲は湧かず、わからない部分も残しながらの視聴だったので、きちんとした評価はできませんが、自分が理解できた範囲においては、なかなかの意外性や納得感のある解決法が描かれていて感心したりもして、おそらくその他の部分についても、かなりしっかり考えて作られているのではないかと想像されました。ただ、それらのよく練られたエピソードを観ていると、なんとなく、瓶の中に作られた船の模型(ボトルシップと言うんですか)なんかを連想したりして、作品の内容自体に心を動かされるというよりも、「よくこんな複雑なものを作ったなあ」とか、「細部まで作り込むのは大変だったろうなあ」といった、作者の労力や技術に感心するような想いのほうが強くなり、アニメ作品の感想としては必ずしも良い傾向とは言えない気もしました。会話シーンでの、高校生としては違和感のある口調や言葉使い、不自然なまでの冷静さなども含めて、全体的に「作り物」感がとても強い作品で、そういった雰囲気は嫌いではなかったです。
声は、主人公・浅井ケイ役の石川界人が好演。音楽は、OP、EDともに、1クール目のほうが好みでした。
とりあえず初見での感想はこんなところですが、再放送などでまた最初から観直す機会があれば、いろいろと気が付くこともありそうで、そのときは感想もずいぶんと変わるかもしれません。(いまのところ自分から積極的に再視聴しようとまでは思いませんが)