アトランティス さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
オルフェンズ 宇宙へ 僕らは今 希望という船を出そう
1期2期全50話を視聴してからの感想になります
ロボットアニメを見たいなぁと思って探した先に行き着いた作品です。
ガンダム作品についてはOOの映画を見ているのみで他は未視聴で
ネットのガンダム戦史をさらっと見たことがあるくらいですね。
2015年後半~2017年前半にかけて2期50話で構成された本作は、他のガンダム作品を未視聴でも大丈夫な設定になっています。
300年前に行われた厄祭戦を終わらせた大英雄アグニカ・カイエルによって創設されたギャラルホルンなる組織は、地球にある4つの経済圏と火星圏を監視する分割統治を行っていた。しかし長きに渡る平和のために組織は当初の理念を失い腐敗、結果火星圏では民衆の差別や格差が広がり、経済的困難から奴隷のように働かされる孤児や、大人の手で売買されるヒューマンデブリと呼ばれる子ども達の増加が問題となっていった。
この物語はいつまでも大人の言うことを言われるがまま聞いて
使い潰され死んでいくことを拒否した火星に住む無名の少年たちの物語。
彼らは名乗る、自分たちは決して枯れない鉄の華 ー鉄華団ー と。
あらすじは以上のようになります。
(以下本文長文のため折っておきます)
{netabare}子どもが躊躇なく大人を殺していく描写は容赦ないなぁと思って見ていましたが
これまで散々虐げられ普通の子どもとは違う人生を歩んだ子達ですから
こういう性格になってしまうのも仕方ないのかなぁと考えられなくもないです。
1期はそういった現在の火星圏の状況を変えようと立ち上がった
「革命の乙女クーデリア」とそれを警護し地球にクーデリアを送り届ける
鉄華団の話が主軸になります。
鉄華団は基本子ども達だけの集団なのですが、
自分たちがギャラルホルンによってすぐに潰されないために強力な後ろ盾を立てたり
時には敵との交渉も行ったり仲間をすごく大事にしたりと
団長のオルガを中心にとても統率の取れた組織として描かれています。
なので際立ったカリスマ性を持つオルガと圧倒的な強さを誇る三日月は、鉄華団を語る上で決して外せない存在でしょう。
ですが、だからといって他のキャラがないがしろにされていることはなく
火星に残してきた妹を思うビスケットのシーンであったり
ヒューマンデブリ達のまとめ役である昭弘の活躍であったり
ユージン、シノなどもしっかり出番があり
そこのあたりの絶妙なバランスは良かったと思います。
また戦場に出ないクーデリアやアトラやメリビットさんら女性陣は
まだ年端もいかない鉄華団の子どもたちの精神的支えとなって数々のシーンで見所がありました。
オルガいつも言っていた言葉で
「あんたにはあんたの戦う場所がある」的な言葉は強く印象に残っていますね。
ストーリー自体も1期は「鉄華団がクーデリアを地球へ送り届ける」ことを
主軸に置いているため、基本的にあっちこっち行ったりせず見やすいです。
またアニメ製作陣側の製作理念として
両者(ここではギャラルホルンと鉄華団)の価値観を平行に描くということを念頭に置いて製作されています。
そのため、物語が単なる勧善懲悪で作られていません。(もちろん作中で味方を裏切ったりする人もいます。)
したがって主人公サイドも非情な選択をしたり、敵側が逆に正義に思えたり…。
この設定は恐らく2期で効いてくるのですが1期のレビューでも触れておきたいと思います。
このことを頭に入れながらアニメを追っていると
自分の行ったことが善であれ悪であれいずれ自分自身に返ってくる、
その中での身の振り方、立場の使い方はクーデリアが頭一つ抜きん出ていたなと思いました。
鉄華団がもしもの時のために、
地球火星のありとあらゆる財界のお偉いさんを使いながら自分が安全に地球まで行ける算段を整えているシーンは素直にこのお嬢さんすごいなと思いました(^_^;
クーデリアがいつも持っていた革命の乙女の絵って
フランス革命時のドラクロワが描いた「民衆を導く自由の女神」が元ネタですよね?
ちょっと角度が横向きにはなっていましたが…
でも視聴者側の皆さんは見ながら思っていたはずです。
クーデリアを地球に送り届けてそこで終わりの仕事ではないだろう、と。
(この続きは2期のレビューへ移ります。)
オルガはクーデリアを地球に送り届けて謝礼をもらった後は出来る限り
大きな犠牲に繋がる戦闘を避けたかったはずだと思うのですが…
そこで黙っているギャラルホルンでも無いですしね…。
1期でマクギリスによってギャラルホルン内部でも新たな火種が作られているのでここは2期の見所になると思います。
(亜人の時といいやっぱりcv.櫻井さんのキャラは良いキャラをしてますねw)
キャラについては
クーデリアとタービンズのラフタが可愛くて好きでした。
もっと三日月とクーデリアの絡みがあっても良かったかも、
残念ながら1期で命を落とすことになってしまった
フミタンとビスケット、両者のご冥福を。
フミタンは性格の割に可愛い名前だなぁって笑ってしまいましたw
あと鉄華団を事あるごとに助けてくれたタービンズの名瀬の兄貴は
本当にいい人過ぎて逆に何か裏があるのではないかと疑っています。
さすがに盃を交わして義兄弟の契を結んだので裏切りは無いと信じているのですが…。
それでも何故あそこまで手を差し伸べてくれるのか気になりますね。
また2期の過去編とかで語られたりするのでしょうか。
テイワズ、タービンズ、鉄華団。それぞれの関係が極道要素に近いこともオルフェンズの味の一つであると思います。
そしてガンダムシリーズの醍醐味の一つであるMS同士の戦いですが
今回はビーム兵器がない設定なので斧で殴り合ったり吹っ飛ばしたりといった内容で違う見せ方をさせているという説明をみました。
僕は他のガンダム作品を知らないのでこの辺には何も思わなかったのですが
戦闘シーンは迫力があって良かったと思います。
あと、オルガの頭脳戦も光っていて面白かった。
曲についてはレビュータイトルにお借りした
MISIAさんの「オルフェンズの涙」が一番好きでした。
歌詞もオルフェンズの世界を上手く表現されていたと思います
OPはアニメを早く見たくて飛ばしていたので…すみません汗
全体を通してとても楽しめた1期でした。
2期のレビューは2期の方で書きたいと思います。
今度はオリジン見ようかな{/netabare}