かおーん さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
辞書という英知の血漿
三浦しをん原作。
三浦しをんさんといえば若手の天才作家。デビュー当初は「み」からはじまる、「ま」行狙い(村上龍・村上春樹・宮部みゆき・宮本輝と同じ棚に並ぶためマ行作家が溢れたことがあった)の作家かと思ったが作品は骨太。駅伝作品「風が強く吹いている」はまごうことなき名作。
今作は辞書編集部というニッチなジャンルの作品。
アニメ化も名作になったと思う。ノイタミナにはこういう挑戦を続けて欲しい。
20年も前、知らない言葉を調べるには辞書を引く必要がありました。学校で買った辞書を使うか、ちょっと大きな広辞苑・大辞林などを買って、それをペラペラと。皇帝ペンギンは暑いところに住んでる?というのを調べるのにも、辞書を引く。もっと調べたかったら図書館にいって図鑑を調べる。
「大渡海」という中辞典。こんなの売れるの?と若い人は疑問に思うでしょう、それも当然な時代です。
でも、昔は「広辞苑」が改訂されるときはニュースになるほどでした。広辞苑の4版が出たときは書店にはあのデカい辞書が積み上げられ、お祭り騒ぎでした。その後わずか短い期間で5版が出た頃からでしょうか、電子辞書に需要は移り始めました。PC版の辞書は文字制限が緩和され、「象」と検索すれば写真も表示でき鳴き声も収録できるようになりました。(スマホのある時代の編集部が電子データを扱ってないのは現実的ではないですね)
今ではスマホでgoogle先生に聞けば、wikipedia先生を紹介してくれる。もう当時を知る人間からすれば夢のような世界になりました。wikipediaのほうが、百科事典より正解率が高い時代にもなっています。簡単に物の調べられる素晴らしい時代です。
もし、wikipediaに募金を募るバナーが表示されたら、寄付を御一考下さい。