ちゃろう さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ロボットと異世界と言えば
真っ先に魔神英雄伝ワタルを思い出す世代ですが、年齢のせいかどうも設定とノリのギャップに違和感を感じる様になってしまいます。
世界観の設定と主人公のキャラの違和感ですね。
簡単に言うと終始主人公にイライラしてしまうんです。「現世の世界の知識が異世界でチート系」の主人公です。ただ重度のロボットオタク、凄腕プログラマーというだけで何もかもうまく行くのに無理がありすぎる様な気がします。いくら魔法術式とプログラムが同じようなものだとしてもそれとベクトルが違うことまでなんでもできてしまったり開発できたりするのはさすがにおかしいと感じます。それに凄腕プログラマーというのは特に特別な存在ではありません。それなのに魔法術式がデフォルトの世界の人間をはるかに超える能力があることに違和感を感じてしまいます。つまり凄腕プログラマーレベルでできることが何故長い歴史の中で誰一人できなかったのか?という部分が引っかかってしまうんです。その世界にもその手の凄腕だったり天才だったり今まで出なかったのかと。
それとせめて現実世界でも本物のロボットを作ろうとしてる描写は見せてほしかった。現実世界でロボットを作ろうともしてないくせに異世界に行ってロボットがあったからって異常なまでの行動を見せるのはちょっと…現実世界でも作ろうとして設計とかもしたけど最終素材がなくて出来なかった、でも異世界には素材があった、だから早く作りたい。とかそういう描写があったのなら異常なまでの行動力は理解できるような気がします。
そしていくらロボットオタクがロボットに乗れるからと言って、戦争だったり命がけの戦いを楽しむような描写にも違和感を感じます。
例えば重度の重火器オタク、戦闘機オタクがいたとして今第三次世界大戦がおこって徴兵されたとします。その時に「やったー重火器が使えるー!」だとか「戦闘機に乗れるー!!」とか喜ぶバカがいますか?いないでしょう?元々異世界の人間なら違和感は感じません。それが普通の世界で生活しているからそういう思考がデフォルトでも何も違和感はないからです。でも平和そのものも日本で生活した人間が生死にかかわる環境の中でものほほんとのんびりした態度でいたり、ロボットオタクというだけの欲求で異常なまでの行動力をみせるのは世界観の設定との違和感を感じてなりません。そういう態度に結構イライラしてしまいます。
他にはロボット開発できるのにどうして移動は馬車なの?とか死んで転生したのはいいけど転生されたエルの元の人格はどこ行ったの?とか細かいところが疑問に思ったりしますが、そこはもうそういう設定だったり世界観だったりなので気になりませんでした。
結論としてはロボットオタク、凄腕プログラマーというだけで何もかもうまく行きすぎる主人公にあまり感情移入できずむしろとぼけた感じやのほほんとした感じが鼻についてしまうという結果になりいまいち楽しめません。個人的には異世界物によくある、「主人公以外をバカにして相対的に主人公が強くなる」タイプの作品の様に感じました。ただこれは前述の様に私が年を取ってひねくれた目で見てしまっていることが原因だと思いますし、そういう細かいことに目をむけたり何にでもいちゃもんをつけるような見かたをするのではなく純粋に楽しむ心があるのなら決して悪い作品ではないと思います。
主人公のルックスもかわいい、ロボットもかっこいい、作画もとてもきれいだと思います。特にロボットの描写は素晴らしいですね。
それだけにこの作品は「終わりのセラフ」と同様、細かいことを気にする前の年齢の時に見たかった作品となりました。