まりす さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
結末ありき?
脚本にCLAMPの大川七瀬さんがクレジットされている段階で
大体結末が見えていました。
イケメンのラスボスが主人公の刀によって死ぬのも
その死に顔が安らかであろうことも
ラスボスを殺めた主人公に暗い未来が待っていることも
同じく大川さんが脚本を担当した「劇場版 X」と似通っています。
というよりまんまです。服の色合いすら似ています。
Xでやった皆殺しをTV版でやった分、あとはイケメンを綺麗に殺すだけでした。
小夜も文人も本質的に他者と理解し合えないキャラとして創られています。
でもラストになるまで視聴者にはそれがわからない。
これは大川さんが「個」を尊重する方で、個の動機をいちいち知らしめる
必要が無いとお考えだからだと思います。
でも、それではあまりに不親切だからラストシーン付近でキャラが動機を語りだす。
(本人のtwitterを見て受けた印象です。間違ってたらスミマセン。)
ここまでの要素を前面に押し出すと完全にCLAMPの作品になってしまいます。
だからこそ、Production I.Gは意識的に「BLOODシリーズ」要素を
付与させようとしたのではないでしょうか。
電車のシーンは1作目の始まりと同じですし、
最初に戦った相手も「古きもの」よりは「翼手」寄りのデザインです。
小夜の服装もシリーズへのオマージュが見られます。
何というか、ここらへんにI.Gの反抗を感じます。
もうちょっと好き勝手やりたかったんじゃないですかね。I.Gは。