ワドルディ隊員 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ハートフルボッコの代表作として有名なアニメ
このアニメは非常に知名度が高いハートフルボッコアニメである。
萌えキャラで表現されているため、ラブコメかと勘違いする人も
いたであろう。個人的にはSFとベースとしたアクションホラーだと思う。
ハートフルボッコの名に恥じず、鬱・グロ要素てんこ盛りだ。
物語が展開されるにつれ純愛作品へと変化していく。
冒頭からいきなりグロくなるのは衝撃だった。
インパクトの大きさではトップクラスであろう。
中断する人が続出しても不思議ではない。
このアニメはグロに関してすこし変わった印象を受けたため、
下記に後述する。(ネタバレに設定)
非常にクオリティが高く、ルーシーとコウタにきちんと
焦点を当てているのは素晴らしい。
どうしてルーシーが恐れられるようになったか、なぜ
コウタに一部の記憶が欠けているのかがきちんと説明されていた。
いじめや差別を深く掘り下げており、人間の業と上手く絡めているのも
非常に良かった。
オープニングも非常に印象的だ。調べてみると
ラテン語で歌っているようだ。外国語にするなら英語が一般的
だろうがあえてラテン語にしたのだろう。深い理由がありそうだ。
オープニングの映像はオーストリアの画家、クリムトの作品を
元に作られたようだ。わかる人ならピンとくるだろう。
どうやって制作されたのかとても気になっていたが納得した。
個人的にも好きなオープニングなのでこれはぜひ聞いて欲しい。
ただ、気になった部分もある。
マユになついていた犬を飼い主が発見し、一時的に離れ離れに
なっていたがとても早い段階で、楓荘のところに戻っている。
飼い主はもの数分で捨てたのだろうか。なら仕方ない。
{netabare}
ラストでルーシーがコウタに自分が人を滅ぼす存在である事
と8年前からずっと抱いていた懺悔の想いを告げ、
コウタの下から去ろうとしたが、その直後にコウタに赦され、
彼と和解するシーンがあったが、私としては腑に落ちなかった。
赦すならまだしも、その直後に愛しているといえるのだろうか。
私がコウタの立場であったら、赦すところか憎しみ続ける
ような気がする。目の前で家族を殺されたのだから、
愛してるまでの境地には到底たどり着けない。
{/netabare}
色々調べた結果、原作の漫画とアニメでは物語の展開に
違いが多いことが分かった。おそらく、私は性格上
気になってしまうタイプなので漫画を読んだ方がいいかもしれない。
{netabare}
グロの種類でいえば、四肢切断がほぼすべてを占めている。
内臓破裂、顔面変形もあるが指で数えられる程度。
グロのレベルは確かに高いのだが、グロの耐性ができている人
なら問題なく見れる。犬の虐待シーンがあったが、物で隠してあるため
意外と優しい配慮がなされておりびっくりした。
後、このアニメのグロのを見ていた時に
少し笑いが出そうになった場面がある。
それはリズムカルに首が切断されていくシーンだ。
理由はスプラッター・コメディ要素があるためだ。
スプラッター・コメディは残酷描写を過激にしすぎた結果、現実味を失い
ある一線を越えた時点でギャグへと変わってしまう現象のことだ。
実はこうした要素を含むスプラッターホラーは映画にも見られる。
有名なのは死霊のはらわた、ブレインデッド当たりであろう。
両方ともゾンビホラー映画なのだが、スプラッターコメディ要素
があるため笑ってしまうのだ。私はこの手のホラーが大好物であり
一時期いろんなホラーを調べていたこともある。
フロムビヨンド・死霊のしたたりがそれに該当する。
この2つも例にもれず素晴らしいスプラッターコメディを私に
与えてくれた。もしかすると、この作品はスプラッターコメディ
に大きな影響を受けているのではないかと思った。
また、首がよく飛んだり血の量がとても多かったため
タランティーノ監督の作品の影響も受けているのではと感じている。
{/netabare}