サラサラ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
不朽の名作
本来卓上で背中をくるめて遊ぶはずのカードゲームで、そんじょそこらのバトル漫画よりド派手に争うのが当時は斬新でした。何がヤバいって毎週デュエリスト達が「俺のしもべだ!」とかいって、新しいモンスターを2体も3体も呼び出し合うんですよ。普通新キャラって1体出すのも大変だと思うんですけど。どう考えても物量がおかしいです。
しかも、その登場モンスターのバラエティが滅茶苦茶豊富。ドラゴンからメカから美男美女まで、何でも出てくるから見ていて飽きがこない。次回は何が出てくるんだろうと思うと、来週が待ち遠しくて仕方が無い。必殺技やサポート魔法&罠も多種多彩で、ネタ切れしないのかな…なんて、子供心にいらん心配をしたものです。原作者の高橋和希氏曰く、連載中に彼がデザインしたモンスターは1000体以上だとか。
当時の原作付き長編アニメには珍しく、最終回まで映像化出来ているのは何気にすごい。長い引き延ばしの末に打ち切りエンドなんて昔はザラだったんですもの。伏線回収もほぼしっかり終えていて、後味が良い、すっきりとしたラストを迎えます。
登場人物は海馬を筆頭に我がままで気まぐれな人が多く、以前と言ってることとやっていることが全然違う!なんてことも多々あるのですが、なぜか「あいつはそういう奴だよ」と納得出来てしまう。きっとキャラの多面性をよく描けているからなのでしょう。みんな苦労してたり、意外な一面があったりして、血の通った人間なんだなぁと思わせてくれます。
原作を改変した箇所や追加キャラクターも、基本的には上手く馴染んでいて、元と比べなければあまり違和感を感じないかと。特に乃亞編は海馬兄弟の過去を大幅にアレンジしており、アニメでマイルドな性格に変更された彼らの言動に説得力を与えています。原作通りの生い立ちなら、原作通りの性格に育たなきゃ変ですもんね。
ゲームのルールがガバガバなせいで毎回試合展開がカオスとか
シャーディーって結局何者だったのとか
放送三年目に挟まれた『ドーマ編』が、まるっと本筋に絡まない蛇足とか
貘良君が出番削られまくり&アニオリ長編では出てこないせいで空気とか
最初期のエピソードも製作して欲しかったとか(東映版はもう視聴困難ですしね)
色々ツッコミたいところや不満点もあるのですが、それ以上の魅力にあふれています。