「君の名は。(アニメ映画)」

総合得点
91.2
感想・評価
2514
棚に入れた
11505
ランキング
39
★★★★★ 4.1 (2514)
物語
4.1
作画
4.5
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.0

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ネタバレ

岬ヶ丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アニメ版「直木賞」受賞作品

新海監督作品は「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」だけしか触れられていないのですが、本作はこれまでの新海作品とは異なる趣を感じました。
これまでの私の新海監督のイメージは、アニメーションの才能はもちろん、文学的な知識や才能も持ち合わせるアニメーター。圧倒的な映像美も文学的な概念やアプローチによってこそ、表現されているのではと感じます。過去の新海作品は文学でいえば純文学的な雰囲気を感じるものでした。「時間・距離・すれ違い」といった漠然とした概念を映像に落とし込み、そこから生じる人間模様を切なく描く作風。ややオトナ向けでとても楽しいと感じる作品ではなく、人を選ぶ雰囲気はなんとなく感じました。もちろん映像美だけでも一見の価値はありますが。

うって変わって本作は多くの人が楽しめる大衆文学的な趣。それがこれだけ社会現象になったことを考えれば、アニメ版「直木賞」受賞作という言葉が個人的にしっくりきます。これまでの新海作品にも出てくる「時間・距離・すれ違い」といった要素を「組紐」という象徴的存在で踏襲。加えて「入れ替わり」という王道的な要素を組み込んだことで、全体的にバランスのよい物語になった印象です。今回はわかりやすく皆が楽しめる作品を作ろうという意図を強く感じます。

これまでの新海作品で感じたアニメとしてのキャラクターの輪郭の薄さを、本作ではキャラデザに「ここさけ」の田中さんを起用するなどで補強している感じはします。これまでの長所はそのままにウィークポイントを補強した結果、更にクオリティーが高い作品になっているように見受けられました。これまでよりも、ずっとアニメらしい新海作品になった気がします。

作品によって作風を柔軟に変える新海監督の手腕に脱帽しつつも、今後の新海作品がどのような方向に進むのかとても気になります。本作をを受けて世間の期待値も当然上がるわけで。これだけヒットした作品があって監督は次に何を描くのか。自分が監督なら、次回作は怖くてもう作れません(笑)。

投稿 : 2017/09/15
閲覧 : 204
サンキュー:

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