二足歩行したくない さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
実写化というと嫌な予感しかしなかったのですが、予想に反して良かったです
宇宙世紀モノのガンダム作品では現時点で最も未来であるU.C.223を描いた作品。
本作は、日本とカナダの共同制作として作られた「実写」作品で、テレビドラマのスペシャル番組として地上波で放送されたものとなります。
あにこれでレビューすることは場違いな気もするのですが、TVアニメガンダムシリーズの一つということでここに置きます。
Vガンダムの宇宙戦国時代も幕を閉じ、完全な独立権を持ったコロニーはセツルメントと名称を変えていた。
しかしながら、それで平和が訪れるわけではなく、地球政府は新地球系のサイドを取り込んで議会を作り巨大な資金と軍事力を確保し、それに属さないサイドは徒党を組んでこれに対抗するという、相も変わらず地球vs宇宙の対立をしていた。
一方で、無秩序に膨らんだ人類はもはや自給することができず、食糧問題に悩まされていた。
主人公は過去の事件による自責の念から退役した軍人で、食糧問題解決のための研究者、マーク・カラン。
研究所に侵入した反乱分子によりある真実を伝えられ、侵入者とともにモビルスーツ、Gセイバーに乗り、地球政府と戦うというのが大まかなあらすじ。
日本のアニメ・マンガ作品が海外で実写化というと嫌な予感しかしなかったのですが、予想に反して良かったです。
1時間半という枠組みの中、無理のないストーリー構成でまとまっており、正直、詰め込んだ感満載の日本のガンダム映画よりも面白かったです。
連邦弱体化から形骸化、コロニー独立運動、宇宙戦国時代の後世として、コロニー独立するもグループ化、そして対立と、無理なく足取りを辿れており、実写作品は原作崩壊することが多い中、丁寧に考慮がされていた作品と感じました。
宇宙世紀としては連続していますが完全に独立したストーリーで、過去作視聴の必要はありません。
海外の一般家庭向けにVガンダムの続編みたいなものを実写で作られても何がなんだかなので、ガンダムではない全く独立した作品と見たほうが良いかと思います。
そもそも作中にガンダムという単語が出てこないです。フォルムはガンダムなのですが、主役機はGセイバーです。
残念な点として、宇宙世紀としては最も未来を描いているのに、設備が野暮ったく、とても遠い未来に見えないです。
モビルスーツの動きは重く、動くたびに大げさな機械音がなり、パイロットスーツはでかい上に動きづらく、以前のモビルスーツには当然のようにあった全天周囲モニターではなく、狭いコクピット前方に窓のようなモニターがあるだけという、それまでのモビルスーツを覆す大退化をなしています。
モビルスーツのデザインはとてもかっこいいのですが、ポンコツさが際立って不憫です。
ストーリーは海外ドラマライクで良かったのですが、モビルスーツ戦だけ今一つなできだと感じました。