イクザ さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
キャラが弱い
両親のいない義理の兄妹が、作家とイラストレーターのタッグでラノベを作っていくアニメ。
全体的にペラい印象。事故でなくなった両親の代わりに、主人公がラノベで生計を立てているという設定で、途中「コンスタントに収入がないと後見人の叔母の介入がある」と可能性の示唆があったが、その割に生活に悲壮感はないし、切り詰めてるような描写も皆無。「作家業は仕事だからコンディションが悪くても書くことが大事」と言い、「妹の面倒も見る」と言う割に、その実、生活は意外と好き勝手で、口先だけに映る。コンセプトは全く違うが、似たような設定の「おねツイ」では、節約に勤しんだり、無理に仕事を取ったりという描写で設定に厚みを持たせていたが、そういう工夫がこの作品にはない。「両親がいなくても兄妹が二人で暮らせていける設定を持ってくる為の口実」でしかないのだろう。
登場人物もペラい。問答無用でヒロインと友達になるべく自宅に押しかける委員長、お面をかぶると口調がエロオヤジになるヒロイン。「何故そうなのか」の説明は一切なく、それを匂わせる描写も放棄。頻繁に物語に関わるヒロインは100歩譲るとしても、たまにしか出てこない委員長の扱いは余りにも酷い。結局、キャラを記号としか見ておらず、妥協した姿勢が垣間見える。
せめてもの救いは、主人公役の松岡のツッコミ台詞が秀逸で、単調で見どころの少ない今作に、多少なりともメリハリをつけられているところ。また、記号的ではあるけれども、最低限のキャラ立ちができているムラマサ先輩も見ていて楽しい。
とは言え、やはり作り込みの甘さが目立ち、「キャラが可愛い」という今時珍しくともなんともない武器しかない為、次第に視聴が作業化してしまった。時代が進めばAIでも書けそうな作品という印象。