shino さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
心の在り方
ProductionI.G制作、SF×サスペンス。
視聴のポイントは2つでしょう。
物語の根幹であるシビュラを理解すること。
そしてシビュラシステムの名のもとに、
最大多数の最大幸福が実現した社会で、
3つの哲学(生き様)が語られていること。
シビュラシステムとは、
スキャンによって計測された生体力場を解析し、
市民の深層心理をサイコパスとして数値化する。
その数値を基に生き方を選択される、
生涯福祉支援システムである。
サイコパスの舞台では、科学の叡智は、
人の心の在り方を解き明かすに至り、
社会が激変した世界であります。
3つの哲学とは、
{netabare}シビュラの檻の中で法に従うものと、
時として己の信念や正義を優先させるもの、
そして法の支配に贖うものです。{/netabare}
槙島聖護が人気ですね。
生殺与奪の権利をシステムに握られている人間は、
人間ではないと憤怒し、犯罪を創造する。
贖うものだけに「生」の輝きを見ている。
{netabare}ラストシーンで微笑んだ彼に、
殉教者の徹底した救いのなさに畏怖し、
傑作映画「SEVEN」をそこに見ました。{/netabare}
最も心に響いた言葉を紹介しておきます。
1粒の麦は地に落ちて死なない限り1粒のままである。
引用したのは聖書の言葉だそうです。
原文ではこの後、だが死ねば多くの実を結ぶとあります。