hiroshi5 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
私がこの作品に対して少しばかり違和感を感じる理由。
人には向き不向きがありまして、この作品は私にとって不向きでしたorz
なんというか後半のドロドロ感とでもいうのでしょうか、生生しい女性関係が性に合いませんでしたw
ちなみに原作は未プレイです。
スクデやとらドラ!みたいなのはOKなのにこの作品は駄目な理由。考えられるのはこの作品のフォーカスというか、テーマかと思います。
とらドラ!は本当に青春の恋愛を描いてます。内面的な情景まで描き出しているそのストーリーが高く評価さえていると思うんですよ。
スクデの場合は恐ろしい程の深い愛情を描き出していました。
主人公のへたれさを除いては、どちらも同じ恋愛を描いています。
そしてこの作品。私が解釈するに、この作品の柱たるテーマは恋愛でないと思っています。決定的だったのが最終話のエンディングです。乃絵がジベタの鳥小屋前で涙を流していて、草の向こう側にはカップルが歩いている、そんなシーンでした。
私は複雑な恋愛ものは見ていないのでこういう解釈には自信がないんですが、これは恋愛だけではないな~と感じた瞬間でした。
そもそもこの作品のメインヒロインって誰なんでしょうか?乃絵か比呂美なのは分かるんですが・・・。
もし、エンディングのシーンが比呂美だったら話のテーマが恋愛だと解釈できたかもしれませんけど、そうでないのでどうなんでしょう・・・w
個人的には
比呂美=恋愛の象徴的存在
愛子=あくまで友達&幼馴染=話のスパイス
乃絵=話のメインテーマと思われる「飛ぶ」や「自分で決める」などの行動を象徴する存在
という風に設定してます。
だから乃絵をメインと考えるなら、この作品のテーマは恋愛ではなくなり「自分で行動を起こすこと」みたいな物になると思います。
しかし、もし私の説が正しければ比呂美は愛子と同じくサブヒロインどころか、眞一郎の生き様を表す一部でしかないという事になってしまいます。なぜなら、乃絵のお陰で彼は絵本を書ききり、乃絵のお陰で比呂美と付き合うことになったと説明出来てしまうからです。
いくらなんでもそれは極論すぎ!ってのが自分自身の感想でして、この説は無いと思う。
かといって比呂美中心のストーリーで解釈すると、乃絵はただ単に眞一郎の元彼女であり、比呂美に誰が本当に好きなのかを理解させる道具でしか無かったことになる。絵本や踊りを含めて、結局なんだったんだ・・・ってことにもなってしまう。
じゃ、二人がどっちもメインヒロインと考えればどうでしょうか?この場合先ほど説明した絵本や恋愛の問題も解けると思います。なんとなく二股のような気がしますが一応↓の様に割り切れる可能性があるから大丈夫かな~と。
比呂美=眞一郎が好きな女性
乃絵=眞一郎を支え、変えた女性
個人的に一番好きなシーンである、眞一郎と乃絵がバス停から別れる時、眞一郎が「眞一郎の心の中に石動乃絵!」と自分で歌っていました。良いシーンでしたね~~~。・゚・(ノД`)・゚・。
まぁこの素晴らしいシーンから見ても分かる様に、乃絵は眞一郎にとって恋愛対象ではなくなり、一つの支えになっていることが分かります。
だからこの作品のテーマは
「何事も自分の意思で決め、最後までやり通す。それは恋愛も例外ではない」
みたいなものなのではないでしょうか。個人的解釈ですがw
そして、このイレギュラーなテーマが私の不快感を与えていたんだと思います。
そもそも感情的な女性キャラが苦手な私にとって、ヒロインの一人になるのは納得がいかなかったのでしょうw
私としてはテーマを決めて、一本道をまっしぐらに突き進むタイプの作品が好きなのですが、客観的に評価すると素晴らしいデキだったと思います。
P.A.WORKSの作品はホント素晴らしいですね。(いろはでもそうだったけど、祭り多くないか?w CANNANの一話も祭りだったし。)
作画も言うことなしの綺麗でリアルな世界観を作っていました。祭りのシーンなんかも良かったですけど、私は目と唇が好きでした。
見て損はないと思います。