岬ヶ丘 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アニメ版「僕の生きる道」+SF=「プラメモ」
最近は専らアニメばかり見ている自分ですが、以前は実写のドラマや映画などもたまに見ていました。そんな数少ない視聴歴の私ですが、個人的に最も印象に残っている作品が「僕の生きる道」です。草彅剛さんが演じる高校教師が胃がんのため余命一年と宣告された後、自分の残り少ない時間を精一杯に生きようとする姿を丁寧に描いた名作、だと思います。
本作の第一印象はなんだかその「僕の生きる道」っぽいなという既視感。ただ本作はあくまでもアニメ。またSF要素も大きな特徴であり、そういったアニメらしさをどう生かしながら、物語を進めていくのか期待感はありました。
他の方のレビューを見ると結構辛口の評価も見受けられましたが、個人的にはアニメ初心者の方も楽しめる良作だと思います。物語や世界観設定、キャラクターの心情も比較的分かりやすく描かれていると感じました。
SF的な要素はあくまでも作品を彩る要素であり、主として訴えかけるメッセージは「思い出」や「生きる」ということになるのだと思います。全体的なテーマはシリアスですが、コメディやプラトニックな要素も適度に組み込まれているので、全体を通してしんどくなりすぎない負荷の内容になっている気がします。
もちろん設定に関して突っ込みどころはあって、個人的に「ギフティアをもっと長生きさせてよ」というのはつい思ってしまいましたが、それは人間もアンドロイドも同じことですよね。
個人的にこの作品の一番の感動ポイントが、最終話の主人公とヒロインの別れよりも、第1話のおばあちゃんと孫ギフティアの別れでしたね(笑)。ギフティア役の久野さんのお芝居には胸に迫るものがありました。
この作品を見て無性に「僕の生きる道」を見たくなりました。全体的な完成度で言えばやっぱり「僕生き」なんですが、アニメ版「僕生き」として私の中で深く印象に残る作品になりました。