◇fumi◆ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
萌えアニとハードSFの境界線上の演劇的作品
2015年放送のオリジナルテレビアニメ 全13話
原作脚本 林直孝 監督 藤原佳幸 キャラデザ 中島千明 制作 動画工房
林直孝氏の完全オリジナルストーリー
アンドロイド「ギフティア」が実用化された未来、21世紀後半くらいかな
主人公「水柿ツカサ」は大学受験に失敗し、ギフティアを製造管理する「SAI社」に就職する。
世界を変えた(はず?)大発明の管理と言うことでSAI社は大企業のようだが、
「ターミナルサービス課」と言うのは回収業で底辺職のようですね。
ギフティアの自我意識の寿命は9年4か月、心が消えると危険なため回収しなければならない。
と言うことで、登場するターミナルサービス課の社員は20代後半~40代で、
主人公(18才)が異常に子供っぽいのも理解できますね。
物語はツカサと同じ課に所属するギフティアの女性アイラの恋愛を描くもの。
ネタバレにならない程度(1話レベル)に説明を書きましたが、
この時点で突っ込み処満載で、どうしようか悩んでしまいました。
原作脚本が稚拙と言ってしまえばそれまでですが、感動する人が多いのもうなずけます。
作画はテレビアニメとしてはレベルが高い。
監督の藤原さんという人は「みなみけ」の作画監督だった人。
やっぱり達人だったんですね。超納得!
キャラのセリフは過去のドラマの切り貼りで心に響かないんですが、
作画と演出は素晴らしいです。
背景は近未来アニメとしては文句なしの精密度。これだけでも価値があります。
声優は・・・はっきり言ってつまらないセリフで実力が出せず可哀想レベル。
この設定の驚くべき点は、ギフティアによって人間のほうが変化していることを描かざるを得なくなっている点にあります。
メイドロボの世界的普及によって人間は退化を始めています。
じきに人間は人工授精でしか誕生しなくなって、消えてしまうのではないか?
9年の寿命を持ち簡単に製造できるギフティアだけの世界が見えてきます。
どう考えてもそっちのほうがいいです。
あまり、しっかり見て考えないほうがいい作品のような気がしますが、
アニオリなのでキチンと完結して13話の構成も問題なしです。
完成度の高いオリジナル作品が観たい人にはお勧めです。
監督の技は特筆ものです。
未来女性のファッション
大人がみんなセーラー服!
これは素晴らしい機能美、スカーフは戦闘用なのでネクタイorリボン
監督の技がさえます。