たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ファーゴ
アメリカのサスペンスによく似た題材があるが、最近ドラマシリーズ化されたコーエン兄弟の「ファーゴ」を見て思い出した。
同じく寒い冬の地帯で一見閑静で平穏に思える村が、実は謎の「失踪事件」や「殺人事件」によって人間の心の暗部へと誘う。。まさに「ファーゴ」と瓜二つである。
「僕だけがいない街」に登場する北海道の田舎町と、「ファーゴ」のノースダコタは共に「一見するとなんでもないありふれた街」として描かれる。
しかし、そこには複雑な人間事情があり、様々な思惑の人間がいて、誰ひとりとして善でも悪でもない複雑な環境に身を置いている。
一応2作とも良心とも呼べるべき存在を据えている(共に母親や婦人警官などといった女性なのが面白い)が、それ以上に恐ろしいのはこれが本当の社会の縮図になっているからである。
だからこそ多くの人が共感し、共にその問題について考えることができたのだろう。
日本もアメリカも事件で一番多いのは「幼児虐待」や「家庭内暴力」だという。
「家族」という柵がもつ本当は浅くて底が抜けてしまうような瞬間が、我々を戦慄させるのである。